相続に備えたい

「親を介護しても相続で報われない」ことを回避するためにすべきこと

2023/07/31 19:00

親の介護をしていると、それに見合った財産を欲しいと思うものですが、実際には他の親族と均等に同じ分だけしかもらえない場合も珍しくありません。そうならないようにするには、家族と話し合う必要があります。お盆の帰省の際、話す機会を持てるといいのですが……。 親には遺言書で指示してもらいたい 自分が親を十分に介護しれたことを納得

親の介護をしていると、それに見合った財産を欲しいと思うものですが、実際には他の親族と均等に同じ分だけしかもらえない場合も珍しくありません。そうならないようにするには、家族と話し合う必要があります。お盆の帰省の際、話す機会を持てるといいのですが……。

親には遺言書で指示してもらいたい

自分が親を十分に介護しれたことを納得しているなら、その分多くの財産をもらえるよう、遺言書を書いてもらいましょう。

ただし、遺言書の内容は何度も書き換えられますし、遺言書では、ほかの相続人が反対すると、その内容を無理やり実行できないので、注意が必要です。

約束した内容が変わらないようにするには?

もし約束を取り消される心配があるなら、贈与契約の一種である「負担付死因贈与契約」を結んでおけば、約束した内容が取り消されることはありませんし、ほかの相続人の反対は影響しません。

この契約は、負担付とあるように、贈与をする人(親)が贈与を受ける人(子、自分)に何らかの負担や義務を強いることができます。

しかし、この契約があっても言い争いになることがあります。契約でいう負担(ここでは介護)をどの程度までやったかの評価について、厳密な判断基準がないためです。

このため、もしこの契約を交わすなら、費用はかかりますが弁護士など専門家へ依頼して契約書を作ったほうがいいでしょう。

遺言書と負担付死因贈与契約には一長一短があるため、親族の状況に応じてどちらを選ぶか判断が必要です。

生きている間に財産をもらうなら注意したいこと

相続以外にも「生前贈与」という形で、親が生きている間に財産をもらう方法もあり、その際は最後まで財産を確保できるように、親の「特別受益の持ち戻し免除の意志表示」とセットで手続きしておくといいでしょう。

しかし、この場合は財産をあげる親にとって「最後まで介護をしてくれるのだろうか」といった懸念が残り、介護をする人自身の責任感が問われます。財産をもらった以上、それ以降も親を途中で裏切ることなく、最後まで責任をもって介護しましょう。

文・三澤智史(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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