2023年8月の住宅ローンの「固定金利」を、大手銀行が引き上げた一方、「変動金利」については、今のところ水準に変化はありませんが、これから住宅ローンを「変動金利」で組む人は、金利が上がったときのことを考え、対策する必要があります。
対策1 繰り上げ返済のお金を貯めておく
変動金利を選んで当面のローンの返済額を少なくする場合、金利が上がったときのためにお金を貯めておきましょう。
超低金利のときは無理に元本を減らす必要はありませんが、金利が高いときには繰り上げ返済が有効です。繰り上げ返済で元本を減らせば、かかる利息も少なくなるためです。
住宅ローン控除で還付されたお金などを貯めておき、繰り上げ返済に備えましょう。
対策2 固定金利への借り換えを検討する
今後、変動金利が上がった時点で10年以上返済期間が残っている場合、早めに固定金利のローンに借り換えたほうがよいでしょう。
ただし、住宅ローン借り換えには金融機関ごとに「契約日から1年以上経過」のような条件が決められています。借り換えによい条件の金融機関があっても、利用できるとは限らない点に注意が必要です。
対策3 借り入れ金額を少なめにする
変動金利で住宅ローンを組む場合、借り入れ金額を少なめにするのが無難です。なぜなら、借り入れ金額が多いと金利上昇時に支払う利息も多くなり、返済額が膨らむからです。
借り入れ金額を少なくするには、自己資金を多く準備する、より価格の安い物件に見直すなどの方法が考えられます。
対策4 ローンの期間を短めにする
変動金利の金利上昇リスクを抑えるには、ローン(借り入れる)期間は短いほうがよいでしょう。なぜなら、借り入れる期間が長いほど金利が上がる可能性が高まり、金利が上がるたびに返済額が増えるからです。
また、借入期間中に何回も金利が上がると、当初の金利とかけ離れた高金利になる可能性もあります。
現時点では、変動金利はまだ上がっていませんが、今後は上がる可能性は高いと見られています。ただ、どの程度上がるかの予想はできず、固定金利にしたほうが有利ともいいきれません。
いずれにせよ、今の超低金利は続かない可能性が高いこと、マンションを始めとする住宅が値上がりしている点を踏まえ、マイホームの資金計画は慎重に立てましょう。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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