相続税・贈与税が2024年から改悪され、子供に残せる資産が少なくなってしまうかもしれません。少しでも有利に相続をするために、2023年のうちにやっておくべき2つの対策を紹介します。
対策1 年間110万までの贈与を2023年から始める
子どもや配偶者へいつか財産を渡したいと考えている人は、2023年末までに110万円贈与してしまいましょう。
なぜそうすべきかというと、まず年間110万円までの贈与は非課税です(暦年課税)。現在のルールではは、死亡の前3年間に行われた暦年贈与は、相続税の対象になるのですが、2024年からは、段階的に7年に延長されてしまうからです。
つまり、今よりも過去を4年も多く遡って相続税の対象にされてしまうわけです。このため、早く暦年贈与を始めておいたほうが、自分が死亡するまでに多くの額が非課税で渡せると考えられるわけです。
なお、子供が存命であれば孫や子供の配偶者は相続人にはならず、生前贈与の3年7年ルールの対象外です。孫へ一世代飛ばして贈与すると、節税効果が高くなるということです。
対策2 子供や孫への住宅資金援助を2023年末までにする
子供や孫が住宅を買う予定なら、2023年末までに500万円~1000万円の住宅資金援助をしましょう。なぜなら父母・祖父母からの住宅資金援助が非課税になる制度が2023年末で終わる予定だからです。
非課税になる額は、省エネ住宅は1000万円まで、その他住宅は500万円までです。
この非課税制度を使う条件は、2023年末までに贈与して、2024年3月15日までに援助した全額を充てて住宅を新築・増築することです。さらに、2024年3月15日までに住み始めるか、2024年末までに住み始めることが確実と見込まれる必要があります。
こうした改悪の一方で、2024年からよくなることもあります。それは、現在ある相続発生時まで2500万円分の贈与税を先送りにできる制度(相続時清算課税制度)に、新たに基礎控除(年間110万円まで非課税)が追加になり、使い勝手が良くなることです。これにより子供が若くてお金が必要な時に贈与をしやすくなります。
老後資金計画の目途が立ったら、家族と相続について検討してみてはいかがでしょうか。
文・鈴木靖啓(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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