夜間美容シャンプーの「YOLU」（ヨル）が大ヒットしている。発売元は「BOTANIST」（ボタニスト）や「SALONIA」（サロニア）などの人気美容商品を生み出してきたI-ne（アイエヌイー) <4933> だ。YOLUのヒットを受けて同社の株価は急騰中。I-neとはどのような企業なのだろうか。

I-neは、人気ブランド「ボタニスト」で急成長を遂げた会社

I-neは2007年に創業、2015年に新規参入したシャンプー「BOTANIST」（ボタニスト）が人気となり急成長、2020年にマザーズに上場した。

その後も美容家電でヘアアイロン・ヘアドライヤーの「SALONIA」（サロニア）もヒット。今回YOLUの人気もあり、美容業界で大ヒットを連発して注目されている。

自社で工場は持たず、企画した商品を委託製造するファブレス（fabrication facility less）企業だ。ブランド創出力が高く、多くのファンに支持されており、販売力も高い。

2022年12月期のブランド別売上高では、BOTANISTが146.5億円で売上構成比が42％、SALONIAが92.8億円で26％、YOLUが70.8億円の20％。YOLUは3番目のブランドに成長した。

コロナ禍でナイトケアビューティーブランド「YOLU」が大ヒット

コロナ禍で「おうち美容」が高まり、「夜間」「ナイトケア」というコンセプトが人気化した。そのトレンドを上手くおさえたのが、I-neであり、ナイトケアビューティーブランド「YOLU」だ。

この製品は毛髪補修成分を配合しており、寝ている間に油分と水分のバランスのよい髪へ導きダメージをケアするという。ウリは、夜に乾燥しがちな頭皮のため美容液成分も配合していることだ。

2021年9月にブランドが誕生して以来、累計販売数が2500万個を超える大ヒットとなる。シリーズラインナップのうち、「カームナイトリペア」は、ドラッグストア市場のシャンプー・リンスの売上シェアで、2022年10月〜2023年6月まで1位を維持している。

2023年12月期第2四半期決算（1〜6月）で、YOLUの売上高は54.7億円と前年同期比で2.3倍に急増した。9月からは新シリーズ「ディープナイトリペア」の販売を予定しており、さらなる売上増が期待できそうだ。

YOLUのヒットで株価急騰！業績の上方修正でストップ高

I-neは、8月9日に2023年12月期中間決算（1〜6月）を発表した。

YOLUのヒットで売上高は21％増の195.1億円、本業の利益である営業利益は1％増の19.1億円だった。会社予想の売上高180億円、営業利益13億円を大きく上回った。

さらに、2023年12月期の業績予想を売上高400億円から415億円に、営業利益40億円から43億円に上方修正した。株価は翌日一時制限値幅の上限（ストップ高）まで買われた。

同社は初の中期経営計画を策定し、2022年12月期の売上高352億円、営業利益32億円を、2025年12月期には売上高550億円、営業利益71.5億円へと大きく成長する計画だ。注力領域であるヘルスケア系・美容家電の継続成長を基盤にスキンケアの拡大と海外展開が成長のドライバーだ。

スキンケアではシワ改善と美白効果のある「WrinkFade」（リンクフェード）、海外では中国への期待が高い。中国市場のポテンシャルも大きそうだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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