「コロナ禍の結婚事情」需要と供給のアンマッチ──連載「恋愛×マネー」研究【第6回】

2021/09/24 13:20

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連載 お金で買えないものはない?「恋愛×マネー」研究 第6回 本連載では、恋愛におけるさまざまなシーンを題材にし、マネー・お金を軸にした見方・考え方を検証。物心両面で満ち足りた、自分の理想の暮らしを手にするための戦略を考察していきます。 前回(第5回)は、ペアローンを組んだカップルの悲劇について解説しました。今回はコロ

連載 お金で買えないものはない?「恋愛×マネー」研究 第6回

本連載では、恋愛におけるさまざまなシーンを題材にし、マネー・お金を軸にした見方・考え方を検証。物心両面で満ち足りた、自分の理想の暮らしを手にするための戦略を考察していきます。

前回(第5回)は、ペアローンを組んだカップルの悲劇について解説しました。今回はコロナ禍の結婚事情について──。

婚姻数は戦後最少を記録 コロナの影響か

厚生労働省が6月4日に発表した「2020年の人口動態統計」によると、2020年の婚姻数は戦後最少の52万5,490組で、2019年より7万3,518組減っています。

婚姻数だけではなく、出生数も84万832人と5年連続で過去最少を更新しました。離婚件数は19万3,251組で、前年の20万8,496組より1万5,245組減少しています。

婚姻数減少に関しては、改元に伴う「令和婚」の反動や、新型コロナウイルス感染拡大の影響でカップルが結婚を先延ばしした可能性が指摘されています。なお、平均初婚年齢は夫31.0歳、妻は29.4歳でした。

婚姻数に関しては、「令和婚」の反動があったことを差し引いても、それまでのトレンドから大きく乖離した結果となりましたので、やはり、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きかったと見るべきでしょう。

非常事態宣言やソーシャルディスタンスによって、新たな出会いの場や、親密になる場が減ったことに加えて、失業や収入減などで結婚どころではない状況になった人もいたことが想定されます。もし、経済的観点から結婚を諦めるということがあったのであれば、非常に残念なことです。

女性が結婚相手に求める年収は?

一般的に、パートナーに経済力を求める傾向が強いのは女性と言われています。国税庁が発表している「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、男性の平均年収が540万円、女性の平均年収が296万円ですので、結婚後の生活に色々とお金がかかることを考えると、女性のほうがその傾向が強いことは至極当然と言えます(念のためですが、あくまで全体論です)。

今日における結婚希望の女性は、男性にどれくらいの経済条件を求めるものなのでしょうか。2021年1月にマイナビニュースが自社女性会員に「結婚相手に求める年収の最低ラインは?」と聞いた回答は、以下の通りです(回答が多い順に5つ引用)。

1位「特にない」(25.9%)
2位「400万円以上~500万円未満」(10.9%)
3位「500万円以上~600万円未満」(6.3%)
4位「300万円以上~400万円未満」(6.0%)
5位「600万円以上~700万円未満」(5.1%)

結婚相談所パートナーエージェントの調べによると、「高収入な男性と結婚したい」と考えている女性に「高収入だと感じる年収金額」を聞いたところ、以下のような回答になりました(回答が多い順に3つ引用)。

1位「1,001万円以上」(25.1%)
2位「801~1,000万円」(21.9%)
3位「601~800万円」(20.6%)

この手のアンケートは媒体によって大きく内容が異なる場合もありますが、上記2つを平たく言うと、「最低ラインを聞かれれば400〜500万円だけど、理想を聞かれれば1,000万円以上、できれば700〜800万円は欲しい」というところでしょうか。

女性側の需要と男性側の供給がマッチしていない

結婚は需要と供給がマッチして成り立つものです。女性側の需要が上記として、男性側の供給はどうなっているのでしょうか。実は、前述の「令和元年分民間給与実態統計調査」に年齢別の平均年収が載っています。

男性の年齢階層別の平均給与

20〜24歳:278万円
25〜29歳:403万円
30〜34歳:470万円
35〜39歳:529万円
40〜44歳:582万円
45〜49歳:629万円

これを見れば、女性側の需要と男性側の供給がマッチしていないことは一目瞭然です。結婚適齢期と言える25〜34歳の男性の平均年収は400万円台であり、女性側が求める最低ラインをやっと超えたくらいです。また、女性が「高収入」と思うようになる600万円を超えるのは、なんと45歳を超えてからです。

さらに恐ろしいことに、「民間給与実態統計調査」の年収額は平均値なので、中央値はもっと低いでしょう。平均値は一部の高所得者が値を引き上げるためです。

ファクトを理解して結婚の判断を進めよう

結婚の判断には、年収以外の要素も多分に絡むことは言うまでもないですが、結婚相手を年収という要素で区切った場合、女性側の需要と男性側の供給がマッチしていないことは明らかです。

年収が高い男性を望み、婚活を進めるのは個人の自由ですが、上記のように、少ない供給に対して需要が多い「レッドオーシャン」であることは理解しないといけません。ときには、「この男性で妥協するか、売れ残るリスクを負ってでも高みを目指すか」決断しないといけないときもあるでしょう。一方、高所得の男性は需要を寡占できるため、妥協せずに時間をかけてパートナーを探しやすいと言えます。

ベストセラーとなった『FACTFULNESS』(ファクトフルネス)ではありませんが、結婚市場のファクト(データ)を理解することによって初めて、適切な戦略が取れるようになるはずです。まずはファクトを理解して、結婚の判断を進めてみて下さい。

文・元証券マンの恋愛相談所長K
編集・dメニューマネー編集部

(2021年7月4日公開記事)

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