12月のボーナスが9月までの勤務実績で払われる場合でも、10月や11月の働き方次第で手取りが増えることがあります。ボーナスの手取りが増えれば誰にとっても嬉しい話です。しかし手取りが増えるのは実は得ではありません。逆に損になることがあります。
ボーナスから引かれる所得税が少ないと手取りが増える
たとえば勤務先の給料の締め日が15日、支払日が当月25日の人が、10月16日から11月15日の残業を抑えて11月25日支給の給料を減らすと、12月のボーナスの手取りが増える場合があります。
ボーナスから引かれる所得税は前月の給料に応じて決まるので、11月の給料を抑えれば所得税が減って手取りが増えるからです。9月までの勤務実績でボーナスが決まる場合、額面は今からでは変えられませんが、税引き後の手取りは10~11月の働き方で変えられます。
何かともの入りの季節である年末年始、ボーナスの手取りが増えれば家計の負担が軽くなったと感じて、得した気分になる人もいるかもしれません。
ボーナスの手取りが増えても年末調整で税金が引かれる
実は、冬のボーナスから天引きされる所得税は仮の金額でしかなく、引かれた税金が少なすぎた場合は年末調整によってあとから追加で引かれます。
つまり前月の給料を減らして手取りを増やしても、ボーナスにかかる税金が減るわけではなく得ではないということです。手取りを増やそうとして10月や11月の残業を減らすと、むしろ残業代が減った分だけ収入が減って損ともいえます。
もちろん残業を減らすこと自体は悪いことではありません。たとえば業務内容を見直して効率化した結果として残業が減るのであれば良いことです。
ただしこの場合、ボーナスの手取りが増えて得をしたと勘違いしてお金を使い込むと、追加で税金が給料から引かれて手取りが減るタイミングで、生活費に困る可能性があります。年の瀬や年初めに慌てないように、お金の管理は適切に行いましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年10月27日公開記事)