高級腕時計コレクターでもあるお笑いコンビ・霜降り明星の粗品さんがYouTubeで持っていることを明かしたロレックス「ミルガウス」(Milgauss)。ロレックスの中でも異色の存在感を放つミルガウスの第三世代Ref.116400は、今後、価格が急騰する可能性を秘めたモデルとして注目されている。
ロレックス初の超磁気耐性時計「ミルガウス」
フランス語で「Mille (1000)」を意味するその名の通り、ミルガスの特徴は最大1000ガウス(8万A/m)という超磁気耐性だ。
初代が発売された1954年当時、発電所や医療施設、研究所など磁器の強い現場で働いていた人々は、「磁気が原因で腕時計がすぐに壊れる」という悩みを抱えていた。磁気耐性がある腕時計は50~100ガウスが限界だった時代、ミルガウスの強力な耐久性は腕時計の革命として賞賛を浴びた。ロレックスにとっては、磁気耐性というコンセプトを自社の商品に取り入れた初の試みでもあった。
しかし、当時は耐磁気腕時計の需要が限定されていたこと、また同時期にサブマリーナーやGMTマスター、エクスプローラー、デイデイトなどの人気モデルが続々と発売されたことで、ミルガウスは長年にわたり「二番手」の位置付けに甘んじることとなった。
イナズマ針を採用した個性的な文字盤のデザインも、万人向けしない理由の一つだった。1970年代にはデザインを一新した第二世代(Ref .1019)を発表するが需要は伸びず、1988年には一時生産中止となった。
セレブも愛用する第三世代Ref . 116400
ミルガウスが第三世代(Ref .116400)として復活を果たしたのは、携帯電話全盛期を迎え、時計に磁気耐性が欠かせない要素となった2007年だ。従来の耐磁気性のほか、サファイア クリスタル(防風ガラス)や最大100mの防水機能を採用。ムーブメント(針を規則正しく動かしている駆動装置)には、キャリバー3131(ムーブメントの一種)を搭載している。
40mmの大ぶりなケースに明るいオレンジや赤の秒針など、遊び心溢れるデザインがうけ、近年は科学者やエンジニアだけではなく、ジェニファー・アニストンやダニエル・クレイグ、アシュトン・カッチャーといった海外のセレブや粗品さんら、愛用者は少なくない。
廃盤になったオリジナルのRef. 116400の文字盤は、白と黒。現行モデルのRef. 116400GVは、黒い文字盤に淡いグリーンとオレンジがアクセントのアニバーサリーモデル(2007年発売)と、ジルコニウムでコーティングされたエレクトリックブルーのZブルーモデル(2014年発売)がある。ちなみに粗品氏が愛用しているのはZブルーモデル 、アニストンは文字盤が黒のRef. 116400、クレイグはアニバーサリーモデルだ。
値上がりを狙って購入するならRef. 116400?
Ref .116400は近年、「資産価値の上昇を期待できるモデル」としても注目されている。
Ref. 116400GVは現行モデルであるにも関わらず、新品の相場はすでに公式価格を上回っている。たとえば、Zブルーモデルの公式価格は8200ドル(約90万円)だが、過去2年前間で11000ドル(約121万円)に上昇。日本では140万円を超えるものもある。一方、2018年初頭には7700ドル(約84万円)だったアニバーサリーモデルは、現在1万ドル(約110万円)前後で販売されている。
2013年に文字盤が黒のモデル、2016年に白のモデルが生産中止となったRef .116400は、特に生産期間の短かった黒のモデルの価格が高騰している。5年前には7000ドル(約70万円)未満で中古品を入手できたが、 2020年半ばには1万2000ドル(約131万円)弱に達した。
近い将来、モデルチェンジする可能性も高まっているため、全世代を通して今後さらなる値上がりが期待できるかも知れない。ミルガウスは資産価値だけではなく、「ロレックスで個性を主張したい」という願いも叶えてくれる魅力的な時計として、今後も新たなファンを獲得し続けるだろう。
文・アレン琴子(オランダ在住のフリーライター)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
画像・jtrillol / stock.adobe.com(画像はイメージ)
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