【連載】日経平均ってなんだろう? 1分解説
株式投資では「アノマリー」(anomaly)というものの存在が指摘されます。具体的な理論や根拠があるわけではないものの、よく当たるといわれる事象や経験則のことです。「ジンクス」と言えるかもしれません。
なぜそうなるかは分からないことが日経平均についても起きる
日経平均についてもアノマリーがあります。特に最近市場関係者の関心が最も強いのが、「月末安(月内最終取引日)」です。文字通り、毎月最終取引日が安くなるというもので、昨年9月から6月末まで9ヵ月続いています。
また、「魔の水曜日」というものあります。日経平均を取引する株価指数先物取引やオプション取引といった金融派生商品(デリバティブ)には、「決済期日」があるのですが、その週(SQ週)の水曜日に相場が荒れる傾向があるというのです。SQ週の水曜日は多くの投資家は慎重になりやすい傾向があります。
その他、人気芸能人の結婚が発表された翌日に日経平均が大きく下落するアノマリーもあります。
2015年は福山雅治さんの「福山ショック」で700円超の下落、堀北真希さんの「堀北ショック」で900円近い下落に。最近では2020年の石原さとみさんの「さとみショック」では東証が終日売買停止となりました。
最も記憶に新しい2021年の新垣結衣さんの「ガッキーショック」では株式市場にとどまらず、暗号資産(仮想通貨)市場でビットコインなどが30%を超える急落となりました。人気俳優の菅田将暉さん、佐藤健さん、女優の橋本環奈さんなどが結婚ともなれば、投資家は相当警戒感を強めるでしょう。
また、最近はあまり話題にならなくなりましたが、「ジブリの法則」があります。これはジブリ映画がテレビ放送される日の米国市場が荒れ、翌日の日経平均がこの影響を受けるというものです。
これには理由が考えられます。ジブリ映画が放送されるのはたいてい日本テレビ系の「金曜ロードショー」。金曜は米国では雇用統計など重要な経済指標の発表が重なるため、週明けの日経平均への影響が大きくなりやすかったと見られます。なお、8月には3週連続でジブリ映画が放送されますので、要注意かもしれません。
米国のアノマリー スーパーボウルも関係?
日経平均ではないですが、米国市場のアノマリーもいくつか確認しておきましょう。
というのも、日経平均は海外の動向に大きく影響を受けます。海外投資家が投資家層全体の7割近くを占めていると言われているほどだからです。
ここで注目したいのが、米国で2月に開催されるNFLの優勝決定戦・スーパーボウルに関するアノマリーです。ナショナル・カンファレンス(NFC)のチームが勝てばその年の米国株相場は上昇、アメリカン・カンファレンス(AFC)のチームが勝てば下落するというものです。
さらに、米大統領選後が行われ、政権交代や新政権発足からの最初の100日間(ハネムーン期間)には相場が上昇する傾向にあると言われています。なぜかというと、野党やマスコミもこの100日間は騒がず、市場に対してネガティブな材料が出にくいからだと解釈されています。
アノマリーは明確な根拠がありませんが、投資家の多くが気にしているという意味では、市場・相場に影響します。知識として押さえておくと投資パフォーマンスを高められるかもしれません。
文・村瀬智一(RAKAN RICERCAアナリスト)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長
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