テレビ局に入社すれば年収1,000万円は当たり前……。そんな時代はもうすぐ終わるかもしれない。インターネット全盛期、テレビを観ない若者が増え続け、今後、テレビ局のCM収入もどんどん減っていくはずだ。年収1,000万円割れは間近なのだろうか。
在京民放テレビ局5社の平均年収は?
2021年3月末時点において、在京民放テレビ局5社の平均年収は以下の通りとなっている。いずれもその名の通り持ち株会社の発表額だが、TBSホールディングス <9401> が1,501万円でトップ。
そのほか、フジ・メディア・ホールディングス <4676> のみ1,000万円を切っているが、日本テレビホールディングス <9404> 、テレビ東京ホールディングス <9413> 、テレビ朝日ホールディングス <9409> は平均の平均年収は1,000万円をゆうに超えている。
在京民放テレビ局5社の平均年収
会社名 | 平均年間給与 |
---|---|
TBSホールディングス | 15,016,000円 |
日本テレビホールディングス | 13,846,267円 |
テレビ東京ホールディングス | 12,896,349円 |
テレビ朝日ホールディングス | 12,803,000円 |
フジ・メディア・ホールディングス | 8,012,000円 |
平均年収は上昇傾向?下降傾向?
テレビ局の平均年収は、最近は上昇傾向にあるのか、下降傾向にあるのか。5社の中で従業員数が最も多いテレビ朝日ホールディングスの場合、平均年収は以下のように推移している。
テレビ朝日ホールディングスの平均年収の推移
会計年度 | 平均年間給与 |
---|---|
2021年 | 12,803,000円 |
2020年 | 13,823,000円 |
2019年 | 13,874,000円 |
2018年 | 13,767,000円 |
2017年 | 13,739,000円 |
2016年 | 13,349,000円 |
2015年 | 14,337,161円 |
2014年 | 13,954,000円 |
2013年 | 13,037,000円 |
2012年 | 13,037,000円 |
こうしてみると、直近10年におけるテレビ朝日ホールディングスの平均年収は、2015年3月期の1,433万円がピークとなっているものの、その後、如実に平均年収が下がっているということはない。
2021年3月期のみ大きく下がっているが、これはコロナ禍による減収という一時的な影響によるものとみられる。つまり、テレビを観ない若者が増えているとはいえ、そのことがテレビ局の従業員の平均年収に大きな影響を及ぼしているわけではないということだ。
なぜCM収入は減っているのに、平均年収は落ちないの?
しかし近年、ネット広告の台頭により、民放テレビ局の主な収入減であるCM収入は減り続けている。それなのになぜ従業員への高い給与を維持しているのだろうか。
それは、テレビCM以外の事業で売上高の埋め合わせができているからだ。例えばフジテレビは、イベント事業や都市開発事業、観光事業なども手掛けており、TBSは不動産事業の貢献度も大きい。
つまり結論を言えば、テレビ離れが進んでいることは事実ではあるが、テレビ局の平均年収1,000万円時代はまだしばらくは続きそうではある。
ただし、テレビCM以外の事業、特にイベント事業などは、テレビ局としての影響力によって下支えされている面もある。そのため本業のテレビ事業が衰退していくことで、テレビ以外の事業も連鎖的に不調になっていく可能性があることは、覚えておきたい。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
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