「信託銀行」って何か説明できますか?【連載】

2021/09/26 20:20

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投資や経済、金融、ビジネスで頻出するさまざまな専門用語も、だれかに説明できるようになれば、しっかり理解していると言えるはず。お子さんがいらっしゃる人も、いらっしゃらない人も、子供に向けて、専門用語を説明できるようになりましょう。 第9回「信託銀行」──仕事の範囲が広い銀行!預金や貸付以外の仕事とは? 会社からの給料受け

投資や経済、金融、ビジネスで頻出するさまざまな専門用語も、だれかに説明できるようになれば、しっかり理解していると言えるはず。お子さんがいらっしゃる人も、いらっしゃらない人も、子供に向けて、専門用語を説明できるようになりましょう。

第9回「信託銀行」──仕事の範囲が広い銀行!預金や貸付以外の仕事とは?

会社からの給料受け取り、公共料金の引き落としなど、日常生活の様々な場面で私たちは銀行(口座)を利用しています。ネット銀行、地方銀行、メガバンクなどいろいろありますが、これらは基本的には「普通銀行」と呼ばれます。

銀行にはこのほかに、「信託銀行」というものがあります。若い世代の方々はあまり接する場面がないでしょう。「聞いたことはあるけど、(普通銀行と)どう違うのか分からない」という人は多いのではないでしょうか。

銀行の仕事は主に3つ 信託銀行は普通銀行より業務範囲が広い

銀行の仕事を簡単にまとめると、次の3つが主なものです。個人や会社などからお金を預かる「預金業務」、会社などにお金を貸す「貸付業務」、お金の振込(送金)などを行う「為替業務」です。

一方、信託銀行は、この3つに加えて、「信託業務」と「併営業務」という2つの仕事も行っており、普通の銀行よりもカバー範囲が広いのが特徴です。

信託銀行の主な業務

・ 預金
・ 貸付
・ 為替
・ 信託
・ 併営

信託業務と併営業務とはどのようなものなのでしょうか。

「信託業務」と「併営業務」とは?

「信託業務」について説明する前に、「信託」という仕組み自体について簡単に説明しておきます。

これは、自分のお金や土地といった財産を、例えば自分自身や子ども・孫達のために、信頼する人に託し、目的に沿って運用・管理・処分を行ってもらうというものです。漢字が示す通り「信じて託す」制度ということです。

この場合、財産を託す自分を「委託者」、財産を受け取る子孫を「受益者」、その運用や管理を任される人を「受託者」と呼びます。

信託業務とは、個人や会社などが持つ財産について、信託銀行が「受託者」となって、管理・運用・処分することを指します。

なお信託できる対象物としては、お金や土地の他、株式や金銭債権などが多いですが、財産的な価値さえあれば、理論上はなんでも信託できます。

もう一つの「併営業務」は、例えば相続関連業務(遺言の保管や遺言執行)、証券代行業務(株主の名簿管理など)といった仕事です。詳しい話は割愛しますが、この「信託業務」と「併営業務」が信託銀行の特徴です。

信託は時代によって形を変える?

いわゆる「信託」のイメージといえば、祖父、祖母から孫へ教育資金を贈与するための信託がピッタリでしょう。

ただ他にも、生涯独身の人や身寄りのない人が活用できる信託(葬儀や家財等の整理を行ってくれる)もあります。日本の生涯未婚率が今後さらに上昇していくとの推測もある中で、利用が増えるかもしれません。

三井住友信託銀行がWebサイトで「信託は生き物」と書いています。これは、時代に合わせて信託の対象物が変わったり、新たに生まれたりするということを表現しているわけです。

これからも、社会のニーズを反映した、さらに新しい「信託」が生まれるでしょうし、そこで信託銀行が果たす役割は大きいのではないでしょうか。

文・若杉篤史(RAKAN RICERCA代表)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

(2021年8月18日公開記事)

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