警備会社のライバル同士と言えば、セコム <9735> とALSOK <2331> 。売上高ではセコムに軍配が上がる。その差は約2倍だ。では平均年収ではどうか。売上が少なくても平均年収が1,000万円を超える企業もある。ALSOKは売上高でも平均年収でも、セコムに負けているのか──。
ALSOKの平均年収、見事な右肩上がり
セコムとALSOK(綜合警備保障)の過去10年間の平均年収の推移を分析していこう。
セコムとALSOKの過去10年間の平均年収の推移 | ||
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年 | セコム | ALSOK |
2021年 | 5,915,188円 | 5,797,477円 |
2020年 | 5,954,465円 | 5,747,080円 |
2019年 | 5,949,930円 | 5,646,659円 |
2018年 | 5,983,755円 | 5,603,070円 |
2017年 | 5,990,236円 | 5,584,482円 |
2016年 | 5,964,564円 | 5,463,950円 |
2015年 | 6,025,066円 | 5,334,845円 |
2014年 | 6,014,368円 | 5,161,480円 |
2013年 | 5,991,261円 | 5,058,931円 |
2012年 | 5,976,966円 | 4,938,384円 |
2011年 | 5,919,897円 | 4,885,463円 |
結論から言うと、セコムはALSOKに平均年収でも勝っている。2021年の平均年収は、セコムが591万5,188円、ALSOKが579万7,477円だ。
ただし、この表を見ればよく分かるが、ALSOKの平均年収の右肩上がりぶりが見事だ。2011年から2021年まで、一度も平均年収が下がった年はない。一方のセコムはこの10年間、今まで一度もALSOKに負けていないが、平均年収は横ばい状態が続いている。
そして、2011年に約103万円あった平均年収の差は、2021年には約11万円まで縮まっている。ざっくり言えば、10年で差が10分の1まで縮まったことになる。この勢いが続くと仮定すると、ALSOKは数年以内、早ければ来年にもセコムの平均年収を抜くことになる。
背景に純利益の凄まじい伸び、10年で5倍以上
しかし、ALSOKはなぜここまでコンスタントに従業員の給与を上げることができているのだろうか。その理由の1つに、ALSOKの純利益のすさまじい伸びがある。2011年3月期に47億円だった純利益は、2021年3月期には250億円まで増えている。約5.3倍だ。
一方のセコムは、2011年3月期の純利益は608億円で、2021年3月期の純利益は746億円。1.2倍ほどしか増えていない。これでは、ALSOKに平均年収レースで差を縮められるのも仕方がないだろう。
ちなみにALSOKに関しては、介護事業などで売上高を大きく伸ばしていることも特筆すべき点だ。M&A(合併・買収)戦略も功を奏しており、経営陣の手腕が光る企業だ。
2022年、ALSOKが平均年収でセコムを抜くかも?
結論、セコムや売上高でも平均年収でもALSOKに勝っている。しかし平均年収では、近い将来、ALSOKに追い越されるのがほぼ確実な情勢だ。2022年、平均年収でALSOKがセコムを抜くのだろうか──。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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