「空の赤組」「空の青組」といえば、JAL(日本航空) <9201> とANA(全日本空輸) <9202> だ。ライバル同士の戦いは売上高や乗客数、路線数などで争われるが、平均年収ではどちらが上かも気になるところだ。紅組と青組、高給取りはどっちだろうか?
過去9年間の比較ではJALの6勝、ANAの3勝
次の表がJALとANAの平均年収の推移と各年における勝敗だ。
ちなみに、平均年収の情報は上場企業が提出している有価証券報告書から取得できるが、JALは2010年2月から2012年9月にかけて上場していない期間があるため、2011年と2012年の数字が欠落している点はご了承いただきたい。
JALとANAの過去10年間の平均年収の推移 | <./tr>|||
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年 | JAL | ANA | 勝敗 | <./tr>
2021年 | 6,784,000円 | 5,637,000円 | JALの勝ち |
2020年 | 8,393,000円 | 7,365,000円 | JALの勝ち |
2019年 | 8,275,000円 | 7,766,000円 | JALの勝ち |
2018年 | 8,667,000円 | 7,616,000円 | JALの勝ち |
2017年 | 8,594,000円 | 8,184,000円 | JALの勝ち |
2016年 | 7,605,000円 | 8,536,000円 | ANAの勝ち |
2015年 | 7,355,000円 | 7,896,000円 | ANAの勝ち |
2014年 | 6,897,000円 | 6,848,000円 | JALの勝ち |
2013年 | 6,719,000円 | 7,390,000円 | ANAの勝ち |
2012年 | - | 7,672,000円 | - |
2011年 | - | 7,520,000円 | - |
2013年から2021年の9年間で勝敗をつけると、JALの6勝、ANAの3勝となっており、最近は5年連続でJALが勝っていることも考慮すると、平均年収での軍配はJALに上がると考えて差し支えないだろう。
ちなみにJALは、経営不振で上場廃止となる前の2009年の平均年収は874万5,000円で、現在はこの金額より低く推移している。そう考えると、まだまだ上昇余地はあるのかもしれない。
株価ではどちらが勝っている?
では少し目線を変えて、株価の上昇率ではどちらが勝っているだろうか。
JALの株価の過去5年間の騰落率はマイナス24.4%、ANAの騰落率はマイナス4.7%。どちらもマイナスなのは、コロナショックで株価の大暴落が起きたことが理由だが、仮に5年前に両社の株を同額購入していたとすれば、ANAの方がダメージは少ない状況となっている。
ただし、コロナ禍による大暴落後の株価の回復スピードはJALの方が早い。コロナショック後の一番底となった2021年4月3日と現在(2021年8月19日)を比べると、JALの株価は30%ほど上昇しているが、ANAは15%ほどの上昇にとどまっている。
コロナ禍もあり、今後の勝負の行方は不透明
冒頭触れた通り、空の赤組と青組の戦いはさまざまな軸で行われている。
平均年収ではここ数年はJALが圧倒している。ただし、コロナ禍もあって航空業界が大ダメージを受けている中、将来の先行きは不透明だ。株価もこうした状況下ではどう動くか予想がつきにくい。
引き続き、両社の業績、そして平均年収や株価の推移に注目していきたい。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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