「いきなり!ステーキ」の運営企業、1年で平均年収100万円ダウンの苦境

2021/08/28 16:00

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大量出店が裏目に出て、運営会社の経営不振に陥った「いきなり!ステーキ」。運営している会社はペッパーフードサービス<3053>。従業員の平均年収はいくらなのだろうか。 平均年収が500万円から400万円にダウン 同社は2020年12月末時点で478人の従業員を抱え、そのうち「いきなり!ステーキ」事業の従業員が

大量出店が裏目に出て、運営会社の経営不振に陥った「いきなり!ステーキ」。運営している会社はペッパーフードサービス<3053>。従業員の平均年収はいくらなのだろうか。

平均年収が500万円から400万円にダウン

同社は2020年12月末時点で478人の従業員を抱え、そのうち「いきなり!ステーキ」事業の従業員が376人と大部分を占めている。ペッパーフードサービスの平均年収の推移をみていこう。

ペッパーフードサービスの平均年収の推移
平均年収 「いきなり!ステーキ」事業の
従業員の割合
2020年4,000,000円78%
2019年5,000,000円75%
2018年4,892,000円77%
2017年4,680,000円67%
2016年4,748,000円58%
2015年4,801,000円58%
2014年5,000,000円31%
(出典:ペッパーフードサービスの有価証券報告書)

ペッパーフードサービスは「いきなり!ステーキ」の1号店を2013年12月に開店している。そのため上記の表では2014年以降の同社の平均年収の推移を載せ、同社のおける「いきなり!ステーキ」事業の従業員の割合も参考までに添えた。

平均年収は2017年から2019年にかけて2年連続で上昇したが、2020年は500万円から400万円に一気に100万円も落ち込んでいる。その背景には、「いきなり!ステーキ」の大量出店が裏目に出て、同社が破綻寸前に陥ったことにあると考えられる。

大量出店とコロナ禍で苦境に

2013年12月に1号店が開店した「いきなり!ステーキ」は、2019年末には490店舗まで増えた。しかし、大量出店で店舗同士による客の奪い合いが深刻化したほか、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、ペッパーフードサービスの業績を大きく圧迫した。

そして同社は「いきなり!ステーキ」の不採算店舗などの大量閉店に踏み切り、早期退職希望者の募集も実施した。さらに2020年7月には経営再建に向け、かつての主力事業だった「ペッパーランチ」事業を投資ファンドに売却することを発表した。

こうしたこともあり、2019年から2020年にかけて同社の平均年収が、500万円から400万円に一気に100万円もダウンしたわけだ。

黒字転換で給与水準も回復へ

このような状況では「いきなり!ステーキ」で働く従業員もさぞ不安かと思うが、現在は光が見え始めている。今期は赤字が解消され、黒字となる見通しとなっている。不採算店舗の閉鎖のほか、コロナ対策の徹底によって売上減を抑制できていることが効いているようだ。

まず黒字転換し、その後、業績が順調に回復していけば、平均年収が再び500万円台となる日も来るはずだ。引き続き同社の平均年収の推移に注目だ。

文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部

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