連載 お金で買えないものはない?「恋愛×マネー」研究 第10回
本連載では、恋愛におけるさまざまなシーンを題材にし、マネー・お金を軸にした見方・考え方を検証。物心両面で満ち足りた、自分の理想の暮らしを手にするための戦略を考察していきます。
前回(第9回)は婚活市場の人気銘柄「ドクター(医師)の経済状況」について解説しました。厚生労働省の統計によると、一般的な勤務医の平均年収は1,500万円前後であり、かなりの高収入であると言って良いでしょう。
「高収入だけど貯金がない人」は少なくない
しかし、私はこれまでドクターを含めて、多くの高所得者に会ってきましたが、高所得者は生活コストが高いことが多く、「高収入にかけまけて貯金はほとんどない」という人が少なくありません。
結婚を意識するのであれば、収入に加えて貯金額も重要なポイントでしょう。相当なお金持ちでない限り、貯金額はその人の金銭感覚(支出レベル)を如実に表すためです。今回は、「高所得者だけど貯金がない人」と「一般的な収入だけど貯金がある人」どちらと結婚するのが望ましいか考えていきましょう。
「高所得者だけど貯金がない人」と「一般的な収入だけど貯金がある人」
例えば、以下のような2人がいたら、どちらと結婚したいでしょうか。次の項目以外の条件は同等とします。
名前 | Aさん | Bさん |
---|---|---|
年齢 | 35歳 | 35歳 |
年収 | 1,500万円 | 700万円 |
貯金 | ゼロ (普通預金に50万円ほどの現金はあり) | 約2,000万円 (大学卒業後、13年間に渡って毎年150万円ほど貯金している) |
配偶者が仕事を続けるのか、それぞれの仕事内容や将来性などによって判断は変わると思いますが、今回は敢えて上の項目のみを判断材料とします。
Aさんは高収入ですが、貯金がゼロですので浪費家と言えます。一方、Bさんは毎年150万円を貯金している堅実な人です。おそらく生活もかなり質素でしょう。言い換えれば、Bさんがこれ以上の年間貯金額を生み出すのは難しいと思われます。
仮に2人の収入が今後も変わらないとすれば、Aさんのほうが家計改善できる「伸びしろ」は大きいと言えます。年収1,500万円の手取りをざっくり1,000万円とすると、うまくやりくりすれば、Bさんを大きく上回る年間貯金額を捻出できそうです。
その一方で、一度染み付いた生活水準を落とすのはなかなか難しいことです。配偶者が家計に大鉈を振るうことができれば良いですが、そこまで家計改善ができない可能性も否めません。
「期待重視」と「実績重視」
この二択は極論すると、「フロー重視」か「ストック重視」かということです。どちらが良いかという話ではありません。実際、資産管理の現場でも、立場によって見解が分かれることが多々あります。
例えば、株式投資の世界では、「フロー重視」で銘柄が選好されることが多いでしょう。アマゾンは世界で最も時価総額が大きい銘柄のひとつですが、ついこの間まではずっと赤字でした。「売上(フロー)が大きければ(伸び続けていれば)今後の努力によって赤字なんてどうにでもなる」という考え方です。言い換えれば「期待重視」ということです。
一方、融資の現場において、銀行が二者択一をするとなると、選ばれるのは「ストック重視」でしょう。銀行は預金者から預かった資金を無事に返金する義務があるため、担保(ストック)が取れる人を好みます。言い換えれば「実績重視」ということです。
自分に合ったスタイルを見つけよう
Aさんには「今後、家計改善が成されれば大きな貯金を生み出すことができる」という期待感があります。年収1,500万円の人は滅多にいないため、Aさんの変身に期待するということも立派な戦略でしょう。
Bさんには「これまでの13年間コツコツ貯金してきた」という実績があります。Bさんと一緒になれば、今後も堅実に資産形成ができるでしょう。
資産管理の世界でも、自分に合った投資スタイルを見つけることができずに、いつまでも結果を出せない投資家が少なくありません。期待重視と実績重視、どちらが優れているという話ではありませんが、「自分がどちらにシンパシーを感じるタイプなのか」は把握しておきたいものです。
文・元証券マンの恋愛相談所長K
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月9日公開記事)