孫への出費は減らし、健康や子・孫への関心は減少。一方でグルメやパートナーのためにかけるお金は増やしている──。

ソニー生命が全国のシニア（50〜79歳）1000人を対象に実施した「シニアの生活意識調査」から、そんなシニアの実態が浮かび上がった。調査は今年8月上旬、ネットエイジアの協力で行われた。

好きな芸能人や心に響いた曲への回答では、ネットで話題になった歌い手の曲が上位にランクイン。ストレスフルな日々を送っているシニアの心のうちも透けて見えるようで、日頃あまりシニアと接する機会がない若い人こそ、興味深い結果と言えそうだ。

楽しみは旅行、ドラマ、映画……

まずシニアに現在の楽しみを聞いたところ、上位の回答は1 位「旅行」（44.6%）、2 位「テレビ/ドラマ」（36.0%）、3 位「映画」（26.7%）、4 位「グルメ」（25.4%）、5 位「読書」（24.2%）だった。

1位をのぞいて自宅で楽しめることが入っているのは、昨今の情勢下では仕方ないことなのだろう。

昨年の結果と比較すると、「健康」は26.6%から18.8%と7.8 ポイント、「子ども/孫」は23.3%から15.1%と8.2 ポイントの大幅下降となった。

このことについて同社は、「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が多くの地域で実施される状況が続き、健康不安が強い状態やストレスフルな状態となるシニアや、子どもや孫と楽しい時間を過ごす機会が減ってしまい残念に思うシニアが増えているのでは」と分析している。

グルメの平均出費額は毎月3000円増

現在の楽しみを“旅行”と回答したシニア（446人）に、旅行に対する1ヵ月の出費を聞いたところ、平均額は2.4 万円。“グルメ”と回答したシニア（254人）に、グルメに対する1ヵ月の出費を聞いたところ、平均額は前年より3000円増えて1.6 万円となった。

昨年もコロナ禍にあったが、今年は宅配・デリバリーやテイクアウトなど、新しいグルメの楽しみ方を満喫するシニアが増えているのかもしれない。

パートナーへの出費は増やし、孫への出費は減らしている？

現在の楽しみを“パートナー（妻・夫・恋人）”と回答したシニア（162人）に、パートナーに対する1ヵ月の出費を聞いたところ、昨年から7000円増えて平均額は2.0 万円だった。

同社は「パートナーと過ごす時間を充実させるためや、パートナーへプレゼントを贈り愛情や感謝を伝えるために、昨年よりも支出を増やしているようです」とコメントしている。

一方で、孫のための消費額は減っているようだ。この1年間で、孫のための出費をしたシニア（283人）に、孫のために使った金額を聞いたところ、「5万円～10万円未満」（24.7%）に回答が集まり、平均額は10万4,682円だったという。昨年は11万2,715円だったから、実に8033円の減少という結果だ。

好きな芸能人は綾瀬はるかさん、心に響いた曲は「うっせぇわ」？

シニアが好きな芸能人、心に残った曲は何だろうか。

全回答者（1,000人）に、好きな芸能人を聞いたところ、1位「綾瀬はるかさん」、2位「タモリさん」、3位「吉永小百合さん」「明石家さんまさん」「嵐」となった。

また今年、心に響いた歌を聞いたところ、1位「カイト」（嵐）、2位「うっせぇわ」（Ado）、3位「君が代」と「糸」（中島みゆき）、5位「ドライフラワー」（優里）だった。

嵐は2020年に活動を休止しているが、NHKの五輪番組で流れたことが大きかったのだろう。また、過激な歌詞で話題になった「うっせぇわ（Ado）」が2位と意外な結果だった。とはいえ、「カイト」と答えたのが29人、「うっせぇわ」が10人、3位の2曲が9人と、回答は分散したようだ。

文/編集・dメニューマネー編集部

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（2021年9月10日公開記事）