「お坊さん=外車」のイメージはホント?お坊さんの平均年収はいくら?

2021/12/20 11:15

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「お坊さんは外車に乗っていることが多い」──。そんなイメージはないだろうか。もしくは、そういうイメージがあると耳にしたことは? 実際にどうかはともかく、一部のお坊さんにそういうイメージが持たれていることは事実だ。しかし実態はどうなのだろうか。お坊さんの平均年収は、外車が買えるほど高いのだろうか。 多くのお坊さんの平均年

「お坊さんは外車に乗っていることが多い」──。そんなイメージはないだろうか。もしくは、そういうイメージがあると耳にしたことは? 実際にどうかはともかく、一部のお坊さんにそういうイメージが持たれていることは事実だ。しかし実態はどうなのだろうか。お坊さんの平均年収は、外車が買えるほど高いのだろうか。

多くのお坊さんの平均年収は500万円台

結論から言えば、お坊さんの平均年収は驚くほど高いというわけでは決してない。

公的なデータはほとんどないため、やや古いデータで恐縮だが、日本最大級の仏教宗派である曹洞宗に関する2005年の調査では、曹洞宗の寺院1万4,000ヵ所の平均年収は564万円で、半数以上が年収300万円以下となっている。

国税庁によると、2005年当時の日本人の平均年収は437万円だ。つまり日本人の平均よりは127万円高いものの、だからといって外車を買えるほど高給取りか、というとそうでもないというのが実際のところだ。

2005年における平均年収の比較
日本人平均437万円
曹洞宗平均564万円
(出典:国税庁/曹洞宗宗勢総合調査報告書)

なぜ外車に乗っているイメージが強いの?

なぜ、お坊さんは外車に乗っているイメージが強いのだろうか。

実際には多くのお坊さんは普通のクルマに乗っている。そもそも外車を楽に購入できるくらいの収入がない上、お坊さんとしても檀家に「坊主丸儲け」といったイメージは持ってもらいたくないからだ。

しかし中には宗教法人の経費として外車を購入し、実務で使っているケースもある。こうした一部のお坊さんがひどく目立つため、「お坊さん=外車」というイメージがついているという説が有力だ。

お坊さんの平均年収は今後どうなる?

ちなみにお坊さんは宗教法人から給与を受け取る形となっているが、今後の平均年収はどのように推移していくのだろうか。減っていくシナリオと増えていくシナリオを考えてみる。

まず変動要因としてあるのが、「檀家数」や「お布施の金額」だ。宗教離れが進み檀家が減ると、お布施として受け取ることができる金額も減る。逆に檀家が増えるなら宗教法人の収入が増え、お坊さんの給料は増えると考えられる。

公式な統計データはないが、現在は檀家数やお布施の金額が減少傾向にあるようで、このままではお坊さんの給与は日本人の平均並みになるかもしれない。

「お坊さん=外車」というのは誤ったイメージ

お坊さんの給与は決して高くなく、お坊さんが相当稼いでいるから外車に乗っている(そして、それがほとんど)というのは誤ったイメージだ。むしろほぼ年中気が休まらない職業で、普通の勤め人にはない大変さがある。人の不幸はいつ起きるか分からないからだ。

この記事を読んで、お坊さんへのイメージが少し変わったのではないだろうか。

文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部

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