タクシー運転手の給料は決して高くない。ドラマなどの影響か、リストラされた人がたどりつく職業というイメージを持っている人もいると聞く。
しかし、それは正確ではない。タクシードライバーという仕事も、極めれば年収1,000万円に到達することも可能だ。スゴ腕ドライバーのマル秘テクニックとは。
年収1,000万円を実現する唯一のアプローチ
タクシードライバーのインタビューや、実際の話を聞いた限り、年収1,000万円以上を稼げるようになるための方法はほぼ1つに限られるようだ。
「顧客」を持つことだ。
タクシーでは一般的に、「流し」か「付け待ち」で売上を稼ぐ。流しは、街中を走りながら客を待つこと、付け待ちは特定の場所に停まって客を待つスタイルだ。しかしこの稼ぎ方は待ち時間が多くなるため、効率的に稼ぐことは難しい。
しかしたくさんの顧客を有しており、事前予約などもたくさん得ていれば、待ち時間が少なくなる。しかも顧客の中に長距離でもタクシーで移動するVIP客がいれば、売上は大きく伸びる。年収1,000万円に到達するドライバーは、こうした方法論で稼ぎを増やしているようだ。
ドライバー同士で互助グループを形成
ただし、ここで1つの疑問が生じる。
タクシー会社に所属する運転手であっても、個人タクシーの運転手であっても、毎日24時間稼働しているわけではない。そのため、顧客のニーズに細かく対応するのは難しい。それでは顧客離れが進むのではないか。
この問題を解決する方法が1つある。それは、ドライバー同士で互助グループを作ることだ。Aさんが休日の場合はBさんが対応、AさんもBさんも休みの場合はCさんが対応、というように、グループ内の運転手の顧客からの依頼は、必ずさばけるようになっている。
顧客からの依頼を決して断らないことで信頼感が生まれ、中には十年以上にわたって利用し続けてくれる客もいるという。中には迎えに行くまでの足代まで出してくれる客やチップをくれる客もおり、収入増に結びついているのだとか。
工夫次第で高給取りになることは十分可能
2019年の調査によれば、男性のタクシー運転手の推定平均年収は360万円(一般社団法人「全国ハイヤー・タクシー連合会」)。一方、日本人の平均年収は436万円(国税庁の2019年の調査)。その差は76万円で、タクシー運転手が薄給であることがよく分かる。
2019年の平均年収 | |
---|---|
タクシー運転手 | 平均年収360万円 |
日本人全体 | 436万円 |
しかしタクシー運転手でも年収1,000万円を稼ぐ人はいる。給与が歩合制の職業では、工夫次第で高給取りになることも可能なわけだ。
また最近では、客が拾えそうなエリアをAI(人工知能)が予測してくれるシステムが登場し、このAIを使いこなせば新人ドライバーでも売上を増やしやすくなっているようだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月15日公開記事)