「夫婦の年収」1人で1000万と夫婦各500万、どっちがお得?

2021/12/26 12:15

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年収1,000万円と聞くと、「裕福」「うらやましい」と感じる人が多いのではないでしょうか?しかし、片働きで世帯主の年収が1,000万円の家庭と、共働きで世帯年収が1,000万円の家庭では、手取りは大きく異なります。どっちがよりお得なのか、実際に計算してみました。 手取りの違いを計算してみよう 世帯主の年収が1,000万

年収1,000万円と聞くと、「裕福」「うらやましい」と感じる人が多いのではないでしょうか?しかし、片働きで世帯主の年収が1,000万円の家庭と、共働きで世帯年収が1,000万円の家庭では、手取りは大きく異なります。どっちがよりお得なのか、実際に計算してみました。

手取りの違いを計算してみよう

世帯主の年収が1,000万円、配偶者は家事に専念している――。このような家庭を見て、裕福なイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、実は共働き家庭より損をしている可能性があります。

年収1,000万片働き家庭

まず、世帯主が年収1,000万円を稼ぎ、配偶者は家事に専念して扶養に入っているケースを想定してみましょう。

年収……1,000万円
社会保険料……約123万円
所得税・住民税……約138万円
手取り額……約739万円

社会保険料と税金を控除した手取り額は、約739万円です。

年収500万共働き家庭

続いて、夫婦2人がそれぞれ年収500万円を稼ぎ、世帯年収が1,000万円というケースを想定してみましょう。

年収……500万円×2人=1,000万円
社会保険料……約71万円×2人=約142万円
所得税・住民税……約38万円×2人=約76万円
手取り額……約391万円×2人=約782万円

年収1,000万片働き家庭と比べると、約43万円手取りが多いという結果になりました。年間約43万円となると、10年で430万円、20年で860万円ほどの差になります。

どうしてここまで手取りに差が出るのでしょうか?

日本の税制では共働きが有利

手取りに差が出る理由は、日本の税金の仕組みにあります。所得税は、所得が大きくなるほど税率が高くなる「累進課税」という方法で計算されます。

先ほどのシミュレーションでは、年収1,000万片働き家庭の所得税率は20%、年収500万共働き家庭の所得税率は10%でした。年収1,000万片働き家庭は税率が高くなる分、所得税が増え、手取りが減少してしまうのです。

以前は、世帯主の所得にかかわらず、配偶者控除を利用できました。配偶者控除とは、扶養に入ることで、世帯主の税金が安くなる仕組みのことです。

しかし、2018年以降は、世帯主の所得が1,000万円を超える場合、配偶者控除を適用できなくなりました。所得が1,000万円を超える場合、扶養に入っても所得税が軽減されることはありません。

このような税金の仕組みによって、年収500万共働き家庭の方が、手取りが多くなることがほとんどなのです。

片働きなら節税対策の徹底を

片働き家庭でも、しっかり節税対策をすれば、手元に残るお金を増やせる可能性があります。代表的な節税対策には、ふるさと納税iDeCoがあります。

ふるさと納税とは、好きな自治体に寄付をすると、寄付した金額から2,000円を控除した金額が税金から差し引かれる制度です。寄付をすることで、自治体から果物や魚介類などの返礼品を受け取れます。出ていくお金は変わりませんが、返礼品を受け取れる分、食費等の節約になります。

ふるさと納税では、所得税率が上がるほど寄付できる上限額も増えるので、積極的に活用しましょう。

iDeCoとは、自分で積み立てる私的年金のことです。iDeCoでお金を積み立てると、将来受け取れる年金が増えます。また、iDeCoで積み立てた金額は所得控除の対象になるため、毎年所得税を節税できます。

所得税率の高い片働き家庭では、節税効果の成果が出やすいのがメリットです。早めに節税対策に取り組み、手元に残るお金を増やす工夫をしましょう。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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