ドライバーにとっては憂鬱な日々が続いている。レギュラーガソリンの平均価格が1リットル150円台からなかなか下がらないからだ。しかも、ガソリン価格は今後下がるどころか、もっと高騰するかもしれない……。リッター200円を突破する日も近いかも?
ガソリン価格の変動のメカニズム
ガソリン価格は原油価格と相関関係にあり、この原油価格は主に需要と供給のバランスのよって決まる。簡単に言えば、需要が多いのに供給が少なければ、価格は上がりやすい。逆に、需要が少ないのに供給が多ければ、価格は下がりやすい。
冒頭、リッター200円を超える可能性について触れたのは、今後、需要が増えるのに供給が減るという状況が深刻化する可能性があるからだ。では、どうしてこうした状況が起きる可能性があるのだろうか。
リッター200円が現実味を帯びている理由
需要が増えそうな理由は、世界中で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、人々の移動が活発になるからだ。人々の移動が増えるということは、飛行機や自動車の燃料消費が増えることを意味する。つまり、原油の需要は高まる。
供給が減りそうな理由は、産油国が多い中東の情勢が不安定さを増しているからだ。イスラム主義組織「タリバン」が制圧したアフガニスタンは産油国ではないが、アフガニスタン発で中東情勢が一気に悪化すれば、産油国からの石油供給が不安定になる可能性がある。
こうしたことが同時に起きれば、原油価格が一気に上がり、ガソリン価格もつられて高騰する可能性は十分にある。「リッター200円」というのは、決して非現実的な話ではないのだ。
この1年間のレギュラーガソリン価格の推移
ちなみに、ガソリンの看板価格の推移を調査しているWebサイト「e燃費」によれば、2020年10月から2021年9月にかけ、レギュラーガソリンの価格は127.0円から150.8円へと23.8円も上がっている。
今年の7〜9月はやや微減傾向だが、1年間でみれば右肩上がりの状況が続く。
レギュラーガソリン看板価格の推移 | |
---|---|
年月 | レギュラー看板価格 |
20年10月 | 127.0円 |
20年11月 | 125.1円 |
20年12月 | 129.1円 |
21年1月 | 132.4円 |
21年2月 | 136.1円 |
21年3月 | 142.8円 |
21年4月 | 144.4円 |
21年5月 | 145.1円 |
21年6月 | 149.3円 |
21年7月 | 152.1円 |
21年8月 | 151.7円 |
21年9月 | 150.8円 |
ここからあと50円ほどレギュラーガソリンの価格が上がれば、リッター200円を突破することになる。1年間で23.8円もガソリン価格が上がったことを考えれば、決して非現実的なことではないことが分かるかと思う。
国際ニュースの小まめなチェックを
ガソリン価格が今後高騰するのか、それとも下落していくのか、現時点ではその行方は誰にも分からない。ただし、ニュースをチェックしていれば予測も可能だ。ガソリン価格が気になる人は、国際ニュースを小まめにチェックするようにしよう。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月22日公開記事)