「マグロ漁船」に乗る仕事は危険が伴う分、給与が高いという話を一度は聞いたことあるのではないだろうか。果たしてそれは本当なのだろうか。都市伝説なのだろうか。実際のマグロ漁船の求人情報を調べ、真実を探ってみる。
実際のマグロ漁船の求人情報をリサーチ
仕事情報サイトで「マグロ 漁船」「マグロ 漁師」と検索すると、決して多くはないがマグロ漁船で働くことができる求人情報がヒットする。この記事では実際の社名などは伏せるが、どのくらいの年収なのかなど、3社の求人の内容を分析していきたい。
A社:年収300万〜800万円
A社では遠洋はえ縄マグロ漁船の船員を募集している。年収は300万〜800万円と幅があり、経験や資格によって変わってくるようだが、応募に際しては必須の条件は特になく、未経験者でも働くことができるようだ。
勤務体系については、10ヵ月間の漁期を終えた後、1〜2カ月間の長期休暇があるという。漁期の間は世界のさまざまな海で船の上で過ごし、1日の勤務時間は最大で8時間程度のようだ。
B社:年収250万〜500万円
B社でも同様に、遠洋はえ縄マグロ漁船の船員を募集している。年収は250万〜500万円でA社よりはやや低めだが、船に乗っている間は食費が無料であるため、非常にお金が貯まりやすいことを強調している。
ちなみに漁期はA社と同様に10カ月間で、漁期を終えると2カ月間の休暇があるという。1日の労働時間は実働8時間で、こちらもA社と同様の内容だ。
C社:年収240万円+歩合給
C社は沖縄近海やパラオ海域でマグロのはえ縄漁をしており、A社やB社とは違い、1回の漁期は28〜30日程度となっている。体力勝負の仕事だが「頑張れる人」であれば歓迎しているようだ。
月収は20万円、つまり年収ベースにすると240万円で、さらに歩合給が追加されるという。B社と同様、船の上に滞在している間は食事代がかからないという。
年収は高くはないが、お金は貯まる
3社の求人内容をまとめたのが次の表だ。
マグロ漁船に関する求人内容の比較 | |||
---|---|---|---|
会社 | 平均年収 | 漁期 | 食費 |
A社 | 300万〜800万円 | 10カ月 | 記載なし |
B社 | 250万〜500万円 | 10ヵ月 | 無料 |
C社 | 240万円+歩合給 | 28〜30日 | 無料 |
結果として、各社の年収の最低金額は240万〜300万円となっており、仮に最低金額しか受け取れなかった場合、マグロ漁船で働くことは高額バイトであるとは決して言えない。
ただし、漁に出ている間は食事代がかからず、漁期が長い場合は陸に部屋も借りておかなければ家賃も不要で、お金が貯まりやすいことは確かだ。
つまり、「年収は決して高くはないが、その割にはお金が貯まる」というのが、マグロ漁船の仕事の真実であろう。
お金の浪費癖がある人にはぴったりかも
前述の通り、マグロ漁船の給与がべらぼうに高いというのは都市伝説だが、お金が貯まりやすい仕事ではある。また、日頃つい無駄使いをしてしまいがちな人には、ぴったりな仕事かもしれない。なぜなら、船の上ではお金を使うシーンが極端に限られるからだ。
もしあなたがお金の浪費癖がなかなか抜けないなら、マグロ漁船で働くことも検討の余地はあるかも──?
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月23日公開記事)