新型コロナウイルスの影響で倒産した企業は、2020年2月からの累計で実に2,000社を超えた。一体どのような企業が倒産したのだろうか。特に負債額が多い企業はどこなのだろうか。
旅行やアパレル……2020年のコロナ倒産
今回のデータは帝国データバンクがまとめたもの。これまでにコロナで倒産した企業を業種別に見ると、最も多いのが「飲食店(350件)」で、「建設・工事業(212件)」「ホテル・旅館(109件)」「食品卸(107件)」が続く。
2020年には、国内外旅行の企画販売を手掛けていたホワイトベアファミリー(負債278億円)の受注がコロナ禍の渡航制限などで激減。関係会社でホテル経営をするWBFホテル&リゾーツ(負債160億円)とともに経営破綻した。
そのほかにも、LCC事業のエアアジア・ジャパン(負債217億円)や、アパレル大手のレナウン <3606> (負債138億円)が負債額ワースト10に入った。
令和最大の負債額1,000億円超え……2021年1〜8月のコロナ倒産
2020年には人々の行動自粛が影響するコロナ倒産が目立ったが、2021年に入ってからは業種が多様化している。
1 東京商事(負債1,004億8,300万円)
観光地などで「ホテルグリーンプラザ軽井沢」「軽井沢おもちゃ王国」などホテルや遊園地を経営。1991年12月期には年収入高約125億円を計上していた。一部のホテル運営をグループ会社へ移管したことによる経営悪化や、近年の大幅な債務超過を倒産の原因とする。
ただ、観光関連事業だけにコロナの影響がまったくなかったとはいえない。負債額は令和最大。
2 JCサービス(負債153億4,285万4,000円)
再生可能エネルギー発電システムの設計や開発、設置などを行う。開発工程に遅れが生じたことで経営が悪化していたが、コロナ禍で経営がさらに悪化。
3 大興製紙(負債140億800万円)
製紙メーカー。他者との競合や需要の落ち込みにより5期連続で最終赤字を計上。さらに、新設備への先行投資で大きな借入金を抱えていたなか、コロナ禍で需要の減少が止まらなかった。
4 医療法人友愛会(負債52億円)
大阪市福島区の地域中核病院である松本病院を運営。コロナ患者を受け入れていた。新病棟開設に伴う先行投資などで経営が悪化していたが、コロナ禍の外来患者数減少により経営がさらに悪化。
5 サン宝石(負債21億7,000万円)
小中学生向けのファンシーグッズやアクセサリーを販売。オリジナルキャラクター「ほっぺちゃん」の人気が落ちたことや、同業他社との競合により売上が低迷。さらに、コロナ禍で急激な収益悪化となった。
なお、コロナ関連倒産が1,000件に到達するまで約1年だったが、そこから2,000件に到達するまでには半年程しかかかっていない。この状況から、これまで何とか耐え忍んできた企業が倒産に至ったことがうかがえる。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月22日公開記事)