新型コロナウイルス関連の倒産が、2020年2月からの累計で実に2,000件に達した。
人々の行動自粛が直接的に影響する旅行・飲食業界にとどまらないあらゆる業界が打撃を受けているなか、倒産が過去最多となった業界はどこだろうか。
倒産が過去最多となったのはあの業界
2021年1〜8月までの倒産が過去最多となったのは「調剤薬局」だ(東京商工リサーチ調べ)。8月時点で22件、前年同期の1.8倍となった。
これは、2004年の調査開始以来、年間最多となった2017年の17件をすでに上回る数字だ。
なお、倒産企業の負債総額は25億9,100万円で、前年同期比4倍超と大幅に増えている。
倒産原因の7割超が「販売不振」
調剤薬局22件が倒産した原因は、「販売不振」が16件と全体の7割を超えた。
現時点で全国に存在する薬局数は約6万店で、これはコンビニエンスストアの店舗数を超える数だ。特に薬局が併設したドラッグストアが増えてきており、競争が激化していることが販売不振の一因とされる。
また、コロナの影響で倒産した薬局も4件ある。コロナ禍で病院の受診控えが続いていることや、徹底したマスクや手洗いにより疾患が減り、結果的に処方せんの枚数も減ったことが要因として考えられる。
薬剤師の平均年収は562万円 今後も稼げる?
2019年度における薬剤師の平均年収は561万6,500円だったのに対し、日本人の平均年収は436万円であり、薬剤師の平均年収は全体よりも100万円以上高いことが分かる。
また、子どもからの人気も高い職種のようだ。
日本FP協会が4月に、第14回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」の応募作品2,303点の中に描かれた「将来なりたい職業」を集計したところ、女子小学生のなりたい職業として最も多かったのが薬剤師だった。
ただ、近年薬剤師の求人は減少傾向にあり、コロナの影響で疾患が減少した現状が維持されれば、求人がさらに減少する可能性もある。
そのため、資格さえあれば職探しに困らず、全体の平均年収以上を継続的に稼げるというわけにはいかないかもしれない。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月24日公開記事)