「子供がお札を破ってしまった」──そんな経験はないだろうか。「形あるものいつかは壊れる」という言葉があるように、1万円札であっても破れてしまうことはある。では実際に破れてしまった場合、お金の価値はどうなるのだろうか。日本銀行はこうした「損傷銀行券」について明確な基準を定めている。
3分の2以上残っている場合は、1万円札と交換
結論から言うと、1万円札の面積が3分の2以上残っている場合は、日本銀行の本店や支店に持って行けば、新しい1万円札と引き替えてもらえる。つまり、価値が落ちることはない。
一方、残っている面積が3分の2未満であるものの、5分の2以上残っているときは、半額の価値があるものとみなしてくれる。つまり1万円札の場合は、5,000円と交換してくれる。半分に破れた場合もこのケースに含まれる。
そして残っている面積が5分の2未満の場合は、残念ながら価値は0円とみなされる。
破れた1万円札の価値 | |
---|---|
残っている面積 | 価値 |
2/3以上 | 10,000円(全額) |
2/5以上 2/3未満 | 15,000円(半額) |
2/5未満 | 10円(失効) |
これは1,000円札や5,000円札でも同じことが言える。例えば1,000円札の場合、3分の2以上残っている場合は1,000円、3分の2未満であるものの5分の2以上残っている場合は500円、5分の2未満しか残っていないものは無価値とみなされる。
破れた1000円札の価値 | |
---|---|
残っている面積 | 価値 |
2/3以上 | 10000円(全額) |
2/5以上 2/3未満 | 500円(半額) |
2/5未満 | 0円(失効) |
<破れた1,000円札>
残っている面積 価値
2/3以上 1,000円(全額)
2/5以上、2/3未満 500円(半額)
2/5未満 0円(失効)
※出典:日本銀行
シュレッダーにかけた場合や、燃えてしまった場合は?
ちなみに1万円札が破れた場合ではなく、一部が燃えた場合でも、先ほどの基準が適用される。
シュレッダーで細かく裁断してしまった場合は、できる限り貼り合わせた上で日本銀行に持ちこむ必要がある。貼り合わせていない状態では、無価値と判断されてしまうこともあるという。
もちろん紙幣は大切に扱うべきだが、破れてしまったり、一部が燃えてしまったりしたときの参考になれば幸いだ。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年9月25日公開記事)
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