みんな知らない「ジブリ」の月収 求人情報から分析

2021/12/30 13:15

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数々のヒットアニメを生み出している「スタジオジブリ」。天才・宮崎駿氏と鈴木敏夫氏が率いる日本を代表するアニメスタジオだ。そんなジブリは、アニメーターにとっては夢のような職場であると言えるが、もし働くとすればどのくらいの給与水準なのだろうか。知っている人はほとんどいないはずだ。 過去に掲載された求人情報を探して分析 スタ

数々のヒットアニメを生み出している「スタジオジブリ」。天才・宮崎駿氏と鈴木敏夫氏が率いる日本を代表するアニメスタジオだ。そんなジブリは、アニメーターにとっては夢のような職場であると言えるが、もし働くとすればどのくらいの給与水準なのだろうか。知っている人はほとんどいないはずだ。

過去に掲載された求人情報を探して分析

スタジオジブリは、企業の公式サイトで採用情報を常時掲載しているわけではない。しかし、過去に掲載していた求人内容や転職情報サイトに登録されていた内容から、月給の水準を知ることができる。

調べた中で発見できた最も古い求人情報は、1989年のものだ。このときは新人アニメーターを募集しており、研修期間1年間の月給は15万円だった。

続いて発見できたのが、2010年に掲載された求人だ。デジタルペイントを担当する従業員を募集する内容で、月給は16万7,000円となっている。2017年には「動画」「背景美術」で契約社員の募集があり、月給は20万円以上とされている。

そして最も新しい求人案件として発見できたのが、2019年4月に掲載された求人で、募集職種は「仕上げ(デジタルペイント)」で、月給は25万円以上となっている。

スタジオジブリの求人案件における月収の比較
掲載時期 職種月給
1989年アニメーター150,000円
2010年デジタルペイント167,000円
2017年動画・背景美術200,000円以上
2019年仕上げ(デジタルペイント) 250,000円以上
(筆者調べ)

月給は右肩上がり、2019年の求人では25万円以上

確認できた求人案件は、基本的には契約期間が定められたものが多く、なおかつ職種が若干異なるため一概には言えない面もあるが、時系列で比較すると月給が年を追うごとに上がってきているのが分かる。

ちなみに1989年の求人広告の150,000円という月給は、安いように感じるかもしれないが、当時のアニメーターに対する給与としては破格の金額と言われている。

また2019年の求人広告では月給250,000円となっているが、厚生労働省の調査によれば、2019年の新卒者の初任給は平均210,200円であるため、スタジオジブリの月収のほうが高い。

そもそもアニメ業界は薄給で知られるだけに、これはすごいことだ。宮崎駿氏はいつの時代も、人並み以上の金額をアニメーターに支払おうという信念があるのかもしれない。

文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
画像・ijeab / stock.adobe.com(画像はイメージです) (2021年9月25日公開記事)

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