「居酒屋が一番稼げるのはお酒」と聞いたことはないだろうか。まさにその通りだ。酎ハイやビールは料理のメニューよりも原価率が低い。では実際、酎ハイやビールの原価率はどの程度なのだろうか。あなたの予想は「10%」?それとも「20%」?
酎ハイとウーロンハイの原価を分析
まず焼酎で割ったお酒の原価を調べていこう。焼酎で割ったお酒と言えば、「酎ハイ」(焼酎+炭酸水)や「ウーロンハイ」(焼酎+ウーロン茶)などがある。
店舗によって差はあるが、一般的に酎ハイは「焼酎3:炭酸水7」もしくは「焼酎4:炭酸水6」、ウーロンハイは「焼酎3:ウーロン茶7」もしくは「焼酎4:ウーロン茶6」の割合で作られることが多い。この記事ではより原価が低いケースを想定し、「3:7」で考えてみる。
氷を抜いた1杯の容量が350mlで、焼酎を1リットル300円、炭酸水を1リットル70円、ウーロン茶を1リットル40円という最安水準で仕入れられたとする。その場合の原価は、以下のように計算できる。
酎ハイの原価 | ||
---|---|---|
: | 容量 | 原価 |
焼酎 | 105ml | 31円 |
炭酸 | 245ml | 17円 |
合計 | 350ml | 48円 |
ウーロンハイの原価 | ||
---|---|---|
: | 容量 | 原価 |
焼酎 | 105ml | 31円 |
ウーロン茶 | 245ml | 9円 |
合計 | 350ml | 40円 |
原価は酎ハイが48円、ウーロンハイが40円
酎ハイは原価が1杯48円、ウーロンハイは原価が1杯40円と計算できた。仮にそれぞれを300円で販売した場合は、酎ハイの原価率は16%、ウーロンハイの原価率は13%ということになる。
正真正銘、居酒屋の稼ぎ頭
一般的に料理の原価は30%程度と言われる。そう考えると酎ハイやウーロンハイの原価がいかに低いか分かる。しかもこうしたお酒は提供するのにほとんど手間がかからない。そのため正真正銘、居酒屋の稼ぎ頭なのだ。
ちなみに参考までに、生ビールの仕入れ価格は20リットルで1万円程度のことが多いため、酎ハイやウーロンハイと同様に350ml分を提供する場合の原価は175円となっている。
コロナ禍の現状、居酒屋に行く機会がほとんどなくなったという人もいるだろう。しかしこうしたことを知ると、居酒屋でのお酒の席でその知識を披露したくなるかもしれない。もしそんな瞬間があったら注意して欲しい。話す相手によっては、飲んでいるお酒がとても割高に感じ、しらけた雰囲気になってしまうかもしれないから……。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
(2021年9月25日公開記事)
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