つみたてNISAに興味はあるけどまだ始めていないという人は、実際にどれくらい増えるかもしれないかを考えて決めるといいかもしれません。毎月の積立額が1万円・2万円・3万円だとして、20年運用したらどのくらい増えるかをシミュレーションで検証しました。
もし今日から、つみたてNISAを始めたら
つみたてNISAとは、初心者の投資のハードルを下げるために政府が用意した優遇制度です。つみたてNISAで投資信託を買えば、年間40万円までの投資で得た運用益には税金がかかりません。つみたてNISAは20年間利用できるので、利回り4%として、運用成果をシミュレーションしました。
毎月の積立額1万円の場合
期間 | 総額 | 運用益 |
---|---|---|
10年後 | 147.2万円 | 27.2万円 |
20年後 | 366.8万円 | 126.8万円 |
毎月1万円という少額でも、つみたてNISAで利回り4%で20年運用すれば、約127万円の運用益が得られます。
本来は約25万円(利益の約20%)の税金を差し引いた102万円が手元に残るお金ですが、つみたてNISAなら税金がかかりません。約127万円の利益がすべて手元に残ります。
一方、毎月1万円を普通預金(預金利息0.01%)で積み立てると、20年経っても95円しか増えません。
積立投資は長く続けるほど、元本の増加と複利効果によって雪だるま式に運用益が増えていきます。10年後と20年後では、20年後の運用益の増え方が大きいのが分かります。
毎月の積立額2万円
期間 | 総額 | 運用益 |
---|---|---|
10年後 | 295.5万円 | 54.5万円 |
20年後 | 733.5万円 | 253.5万円 |
毎月2万円積み立て利回り4%で20年運用した場合、本来かかる税金は約51万円です。つみたてNISAなら税金はかからず、運用益が丸ごと手元に残ります。
毎月2万円を普通預金(預金利息0.01%)で積み立てると、20年で290円しか増えません。
それでは毎月3万円にするとどうなるのでしょうか。
毎月の積立額3万円
期間 | 総額 | 運用益 |
---|---|---|
10年後 | 441.7万円 | 81.7万円 |
20年後 | 1,100.3万円 | 380.3万円 |
毎月3万円積み立て利回り4%で20年運用した場合、20年後にはなんと総額が1,000万円を超えます。つみたてNISAを利用することで、税金約76万円分がお得になります。
毎月3万円を普通預金(預金利息0.01%)で積み立てると、20年で482円しか増えません。
3年半で資産が1.5倍に?
2018年1月から2021年6月まで、3年半つみたてNISAで積み立てた場合の含み益を、商品ごとに調査したところ、すべての商品で運用益が発生し、プラスになっていたことが分かりました(QUICK資産運用研究所)。
中には、元本140万円に対して、3年半で約70万円の運用益が得られた商品もあります。なんとトータル利回り50%、元本が1.5倍になったのです。利回り4%はあくまで想定であり、商品の選び方によっては、より高利回りで運用できる可能性があります。
ただし、利回りは商品によって変わるため、必ず利回り4%が保証されるわけではありません。過去の運用利回りも踏まえながら、商品を選ぶことが大切です。
また、つみたてNISAをする時は、投資にはいい時も悪い時もあることを理解し、下がった時にあわてて解約しないよう気をつけましょう。下がった時もコツコツと積立を継続することで、相場が回復した時大きな運用益をねらえる可能性があります。
20年後の資産は、今のあなたの意思決定によって形成されます。投資を始めようか悩んでいるなら、目の前の情報だけでなく、将来の運用成果を踏まえて悔いのない選択をしてください。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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