「社長秘書」と言えば華やかなイメージがある。企業によっては、海外出張などで欧米の大都市に出向いたり、政財界やスポーツ界の大物に会えたりする機会もあるはずだ。しかし、こうした華やかさと給与の高さは別問題だ。秘書の給与は高いのか?低いのか?
平均年収は320万〜340万円程度
複数の転職サイトや転職情報サイトが秘書の平均年収に関する調査結果を明らかにしている。転職サイトの比較サイト「CareerPicks」によると平均年収は約329万円、求人情報サイト「求人ボックス」によれば平均年収は約344万円だ。
秘書として働いている人は女性が多いと考えられるため、こうした金額を日本全体の女性の平均年収と比較してみる。国税庁がまとめている「民間給与実態統計調査」の最新版である2019年12月31日時点の調査によれば、女性の平均給与は296万円となっている。
秘書の平均年収と女性の平均年収の比較 | |
---|---|
秘書の給与 (CareerPicks調査) | 329万円 |
秘書の給与 (求人ボックス調査) | 344万円 |
女性の平均年収 (国税庁の調査) | 296万円 |
CareerPicksの調査に基づけば、秘書の給与は女性の平均年収より33万円高く、求人ボックスの調査に基づけば48万円ほど高い。とは言え、秘書の給与がほかの職種に比べて突出して高いわけではなく、華やかなイメージがある反面、給与は普通と言ってもいいだろう。
年収1,000万円を超える秘書も結構多い
では給与面で、秘書という仕事に夢はないのか。決してそうではない。秘書という仕事は専門職であり、企業によっては極めて稀なスキルが求められる。例えば、「英語と中国語の両方をビジネスレベルで話せる秘書」「弁護士資格を保有している秘書」といった具合だ。
こうした条件をクリアして雇用された秘書には、年収1,000万円を超える高額の給与が支払われるケースも少なくない。新たに別な人材を探すのが困難であるため、企業としては高い給与を支払っていてもつなぎ止めておきたいわけだ。
ちなみに少し古い調査データで恐縮だが、ぐるなびが運営する秘書業務のサポートサイト「こちら秘書室」の2013年の調査では、年収が1,001万円以上の秘書は回答者の5.8%に上っている。
「社長ガチャ」でハズレを引く恐怖感も
平均年収は突出して高いわけではないが、人によっては年収1,000万円以上を超えることもある秘書という職業。ただし、担当する社長によっては多忙を極めることもあり、「社長ガチャ」でハズレを引いてしまったら、気苦労が絶えないかもしれない……。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年9月29日公開記事)