自民党総裁選は株価にどう影響するのか?過去の投開票日と翌日の日経平均を比較

2021/09/29 20:00

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きょう9月28日、自民党総裁選の投開票が行われ、新総裁すなわち次期首相が決まる。下馬評では、岸田文雄前政調会長が河野太郎行革相に競り勝つとされているが、投開票は午後1時から行われ、いずれにせよ夕方には雌雄が決する。 ところで自民党総裁選は市場にどういう影響をもたらすのだろうか。過去数回の総裁選投開票日前後の日経平均終値

きょう9月28日、自民党総裁選の投開票が行われ、新総裁すなわち次期首相が決まる。下馬評では、岸田文雄前政調会長が河野太郎行革相に競り勝つとされているが、投開票は午後1時から行われ、いずれにせよ夕方には雌雄が決する。

ところで自民党総裁選は市場にどういう影響をもたらすのだろうか。過去数回の総裁選投開票日前後の日経平均終値をみていこう。

2006年 安倍氏が麻生、谷垣両氏を下して第一次安倍内閣発足──株価上昇

2006年は9月20日に投開票が行われた。この時、安倍晋三氏が麻生太郎氏、谷垣禎一氏を大差で下し、初めて首相になっている(第一次安倍内閣)。

投開票日終値15,718.67
翌営業日始値 15,820.11(+101.44円)
同終値15,834.23(+115.56円)

2007年 安倍首相退陣で福田康夫氏にバトン──株価上昇

2007年は9月23日の日曜日に行われている。これに先立つ2007年7月29日の第21回参議院選挙で自民党は敗北。9月12日午後2時、安倍首相が「内閣総理大臣及び自由民主党総裁を辞する」と退陣を表明している。9月23日が日曜のため、金曜の終値と月曜日の株価を比較してみよう。

投開票日前日の終値16,312.61
翌営業日始値 16,317.19(+4.58円)
同終値16,401.73(+89.12円)

安倍氏が首相に就いたときほどではないが、総裁選翌営業日はプラスで終えている。

2008年 福田氏も1年で退陣、麻生氏が3度目の正直「株価は下落」

2008年は9月22日、麻生氏が与謝野馨、小池百合子、石原伸晃、石破茂の4氏を下した。2回連続で次点に終わった麻生氏が雪辱を果たして、首相の座についた。

投開票日終値12,090.59
翌営業日始値 12,031.98(+4.58円)
同終値12,115.03(▲58.61円)

麻生氏が総裁に就任した翌日は、始値こそプラスだったが、終値は60円弱のマイナスで終わっている。

2009年 その麻生氏も1年後に……自民党が下野、「株価は上昇」

その麻生氏も2009年8月30日の衆院選で大敗、総選挙17日後の9月16日に麻生内閣は総辞職して野党に転落した。

この年の9月28日に行われた総裁選では、谷垣禎一氏が河野太郎、西村康稔両氏を破って総裁となった。しかし旧民主党・鳩山政権下の野党のため、谷垣氏は自民党総裁ながら首相に指名はされていない(河野洋平、橋本龍太郎両氏につづいて3人目)。

投開票日終値10,009.52
翌営業日始値10,089.11(+79.59円)
同終値10,100.20(+90.68円)

2012年 安倍氏、石破氏に決選投票で勝利、「始値は下落も終値では上昇」

2012年は安倍氏が再登板した年。この時は第1回投票で石破茂氏に敗れた安倍氏が決選投票で勝利している。2021年の総裁選も同様の事態が起こりそうということもあり、この年の選挙には注目が集まった。

投開票日終値8,906.70
翌営業日始値8,856.31(▲50.39円)
同終値8,949.87(+43.17円)

9月の総裁選後、11月16日に衆議院が解散され、12月16日に衆院選が行われた。この時、与党の民主党が大敗、自公連立への政権交代が確定した。12月26日に野田内閣が総辞職し、安倍内閣が発足した。

2018年 安倍氏が石破氏にダブルスコアで勝利、「株価は大きく上昇」

2015年は総裁選立候補者が安倍氏のみのため無投票再選だったが、2018年は石破氏が立候補。しかし安倍氏がダブルスコアで破っている。この時は株価も大きく上昇したようだ。

投開票日終値23,674.93
翌営業日始値23,848.63(+173.7円)
同終値23,869.93(+195円)

2020年 菅官房長官がコロナ禍の中で首相に、「株価は下落」

そして直近、昨年の総裁選では、安倍氏の退陣で菅官房長官が岸田文雄、石破茂両氏を300票近い差をつけて大勝しているのだが、翌日の株価は残念ながら下落している。

投開票日終値23,559.30
翌営業日始値23,438.83(▲120.47円)
同終値23,454.89(▲104.41円)

女性候補は2008年の小池氏以来

2006年以降の総裁選の投開票日(日曜の場合は前日)の日経平均終値と、翌営業日の始値、終値を比較してみた。過去7回のうち、翌営業日の終値が下がったのは2回。あとの5回は上がっている。とはいえ、回数が多くないため、ここから法則性を見つけるのは危険だろう。総裁選以外の要素が株価を動かした影響も少なくないし、そもそも年によっては事前にすう勢は分かっていたからだ。

今回の総裁選は4人の候補のうち女性が2人。2006年以降の総裁選では、08年の小池百合子氏以来の女性候補者のようだ。ただ一番若い河野氏でも58歳と、若いうちからトップに就くのは難しいようだ。多様性がなかなか豊かにならない政界、自民党のトップ、すなわち国のトップを決める選挙。果たして相場によい影響をもたらすのだろうか。

文/編集・dメニューマネー編集部

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