第1回の「借金王」はトヨタ自動車──。
法人会員向けに与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスターが、決算短信記載の有利子負債を基に集計した第1回「借金王ランキング」を発表。首位はトヨタ自動車で有利子負債25兆6,596億円だった。2位以下は、ソフトバンクグループ(有利子負債18兆5,130億円)、本田技研工業(7兆7,210億円)、日本電信電話(7兆6,243億円)、日産自動車(7兆4,802億円)、オリックス(7兆419億円)、ソフトバンク(5兆6,926億円)という結果だった。
上位には自動車、通信が多め
上位20社を見ると、業種では自動車製造業、物品賃貸業、通信業、各種商品卸売業、電気小売業が3社ずつランクイン。リスクモンスターは、自動車製造業と通信業においては上位7社までに3社ずつ入っていることに触れ、有利子負債の多さが目立つ結果と指摘した。さらに、同社は有利子負債について、上位20社の「現預金」「借入依存度」「自己資本比率」についても分析している。そのうち10社を以下に引用した。
順位 | 企業名 | 業種 | 有利子負債 | 売上高 |
---|---|---|---|---|
1 | トヨタ自動車 | 自動車製造業 | 25兆6596億 | 27兆2146億 |
2 | ソフトバンクグループ | 通信業 | 18兆5130億 | 5兆6282億 |
3 | ホンダ技研工業 | 自動車製造業 | 7兆7210億 | 13兆1705億 |
4 | 日本電信電話 | 通信業 | 7兆6243億 | 11兆9440億 |
5 | 日産自動車 | 自動車製造業 | 7兆4802億 | 7兆8626億 |
6 | オリックス | 物品賃貸業 | 7兆419億 | 2兆2927億 |
7 | ソフトバンク | 通信業 | 5兆6926億 | 5兆2055億 |
8 | 三菱商事 | 各種商品卸売業 | 5兆6443億 | 12兆8865億 |
9 | 武田薬品工業 | 化学工業 | 4兆6354億 | 3兆1978億 |
10 | 三菱HCキャピタル | 物品賃貸業 | 4兆5287億 | 8943億 |
11位から20位には、東京電力ホールディングス、関西電力、九州電力といった電気小売業、三井物産・住友商事、三井不動産、楽天グループなどがランクインしている。
総評「調達資金を活用してキャッシュの創出につなげ、借金を上手に運用している」
同社は総評で、企業が借金をする目的は、「事業拡大」と「運転資金確保」があるとした上で、「返済の目途が立たず資金繰りが限界に達すると倒産に至ることから、借金の多寡は倒産リスクに直結する」と指摘し、調査の目的を「企業が保有する有利子負債を集計し、安全性・収益性の観点」と説明した。
首位のトヨタ自動車については、分析対象とした3つの財務指標(現預金月商比、借入依存度、自己資本比率)でいずれも「安全性の高い水準」と説明。「多額の借入金を有しつつ高い安全性を維持している」と評価している。
さらに「本ランキング上位企業は、借入金額は多いものの、安全性の低い企業はほとんど見られず、調達した資金を活用してキャッシュの創出につなげている点で、借金を上手に運用している企業」と解説。「各企業が倒産リスクを見極め、適切な借入によって安全性と企業価値を高めることで、停滞した日本経済を活性化することに期待」していると締めくくっている。
文/編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・10月から時給と月給、給料が上がる人とは?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・あの有名メーカーもコロナ倒産……負債額ワースト5
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・スマホと冷凍庫が大活躍!食費節約のコツ4選
(2021年9月29日公開記事)