いまやカーマニアが憧れる自動車メーカーの1つとなった「テスラ」。天才経営者と言われるイーロン・マスク氏がCEO（最高経営責任者）を務め、ぐんぐん売れ行きを伸ばしているが、実は彼はテスラの創業者ではない。そんな例はマクドナルドについても言えるのだが──。

テスラの創業者は2人のエンジニア

2003年に設立されたテスラの創業者は、マーティン・エバーハード氏とマーク・ターペニング氏という2人のエンジニアだ。一方、イーロン・マスク氏は翌2004年に同社に多額の投資を行い、取締役会長としてテスラの経営に参画している。

このことからも分かるように、イーロン・マスク氏はテスラの創業者ではないのだ。ただし、テスラを大企業に育てあげたのはイーロン・マスク氏に他ならない。最近ではカメラだけで完全自動運転を実現する技術の開発にも取り組み、同社への注目度は増すばかりだ。

マクドナルドも似たケース？

実はテスラのように、超有名経営者であったとしてもその会社の創業者ではないケースは、少なからず存在している。マクドナルドが良い例だ。

マクドナルドを世界的チェーンに育てた経営者はレイ・クロック氏だが、創業者はリチャード・マクドナルド氏とモーリス・マクドナルド氏というマクドナルド兄弟だ。

レイ・クロック氏は結果的にマクドナルド兄弟から経営権を奪い取る形となり、兄弟との経営権をめぐるわだかまりは同氏が亡くなるまで消えなかった。ちなみに経営権をめぐるストーリーは映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』で詳しく描かれている。

「時の人」のトリビア、覚えておいてみては？

このように、テスラとマクドナルドは似た側面を有しているが、テスラの場合、イーロン・マスク氏は過去に裁判でテスラの「共同創設者」として認められており、「共同創業者」と書くと誤りだが、「共同創設者」と書けば誤りではないと解されている。

宇宙事業や脳科学の事業でもたびたび注目を集めるイーロン・マスク氏。そんな同氏のトリビアとして、頭の片隅に入れておいてみたらいかが？

文・岡本一道（経済ジャーナリスト）
編集・dメニューマネー編集部

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（2021年10月1日公開記事）