自民党総裁選で岸田文雄氏が勝利し、第100代の内閣総理大臣に10月4日、就任する。今までは国会議員としての給料を受け取っていたが、今後は内閣総理大臣としての給与を受け取る。すると、年収はいくらになるのか。日本を代表する企業であるトヨタ自動車 <7203> の社長と比べてどっちが高いのだろうか?
規定では年収4,023万円だが、実際には2,961万円
内閣人事局は、内閣総理大臣を含む特別職の職員の給与を公表している。資料によれば、内閣総理大臣の月給は201万円で、このほか「地域手当」として月給の20%分、つまり40万2,000円が毎月支払われ、期末手当(ボーナス)も6月と12月に支給される。
ボーナスの金額については、直近の2020年12月のボーナスが約560万円、2021年6月のボーナスが約569万円と発表されている。そのため、内閣総理大臣の年収は以下のように計算できる。
月給×12カ月分 | 24,120,000円 |
地域手当×12カ月分 | 4,824,000円 |
期末手当(2回分) | 11,290,000円 |
合計額 | 40,234,000円 |
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月給と期末手当の30%分は国庫に返納
結果が出た。内閣総理大臣の年収は約4,023万円ということだ。ただし、内閣総理大臣の給与については財政改革を推進するために、月給と期末手当の30%を国庫に返納することが2020年9月に決まっている。
月給と期末手当をそれぞれ30%国庫に返納した場合、実際の給与額は以下の通りとなり、年収は約2,961万円ということになる。
月給×12カ月分 ※30%カット | 16,884,000円 |
地域手当×12カ月分 | 4,824,000円 |
期末手当(2回分) ※30%カット | 7,903,000円 |
合計額 | 29,611,000円 |
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トヨタ社長の給与は、内閣総理大臣の給与の約15倍
この内閣総理大臣の約2,961万円という年収は、民間企業の社長クラスを比較すると、どれほどなのか。日本が誇る自動車メーカーであるトヨタ自動車の社長と、平均年収を比べてみよう。
トヨタ自動車の直近の有価証券報告書によれば、トヨタの豊田章男社長の年間報酬額は4億4,200万円となっている。つまり内閣総理大臣の給与の約15倍だ。こうして考えると、日本の内閣総理大臣の年収は決して高くないと感じるかもしれない。
ただし、ほかの先進国の国のトップも、決してトヨタの社長並みに年収が高いわけではない。アメリカの大統領で4,000万円台、ドイツの首相で3,000万円台、イギリスの首相や韓国の大統領は1,000万円台の後半となっている。
あなたにとって首相の年収は、高い?低い?
岸田氏は10月4日に新たな首相に就任する予定だ。どのような政策を打ち出すのか注目が集まるが、今回は視点を変え、給与に焦点を当ててみた。あなたは内閣総理大臣の給与、高いと感じますか?低いと感じますか?
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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・10月から時給と月給、給料が上がる人とは?
(2021年10月4日公開記事)