マイナンバーカードの健康保険証利用が本格運用される予定だ。無料で発行できるマイナンバーカードだが、手間がかかるイメージを持つ人もいるかもしれない。持っているとできることを確認していこう。
身分証明書やコンビニでの住民票取得など……マイナンバーカードでできること
マイナンバーカードを持っていると、現時点では次のようなことができる。
まずは「身分証明」。未成年や免許証を持っていない人も身分証明書として利用できる。コンビニなどで「証明書の取得」も可能だ。原則は6:30〜23:00で、全国の約5万5,000店舗で使える。当然ながら「マイナンバーの証明」にも使える。出産育児一時金の申請時や、勤務先による源泉徴収票作成時などに役に立つだろう。
「行政手続のオンライン申請」では、マイナンバー制度の専用サイト「マイナポータル」にログインし、子育てや介護などのサービスを利用する際の手続きを進められる。さらに「複数サービスの一元化」も可能。保険証や印鑑証明、図書館カードなど、市区町村や国が提供するサービス毎に必要だった複数のカードを一元化できる。
そして「確定申告」では16桁の利用者識別番号と暗証番号、電子証明書の登録が必要なくなる上、確定申告の種類によっては節税につながることもある。
できること | 詳細 |
---|---|
身分証明 | 金融機関での口座開設やパスポートの新規発給など、マイナンバーと本人確認書類が同時に必要な場面では、1枚で済む唯一のカード |
証明書の取得 | コンビニやスーパーで、住民票や印鑑登録証明書などの公的な証明書を取得可 |
マイナンバー証明 | マイナンバーの提示が必要な場面で証明書類として利用できる |
行政手続のオンライン申請 | マイナポータルで、子育てや介護などのサービスを利用する際の手続きを進められる |
複数サービスの一元化 | 保険証や印鑑証明、図書館カードなどの代わりになる |
確定申告 | オンライン上で確定申告ができる「e-Tax」では、これまで必要だった16桁の利用者識別番号と暗証番号、電子証明書の登録が必要ない |
保険証利用や運転免許証との一体化……今後できるようになること
これからさらに機能が追加される。今後の予定、できるようになると見られることもまとめてみよう。
健康保険証利用
今回発表された健康保険証利用により、医療機関や薬局に行った際に「何の薬を飲んだか忘れてしまった」という場合でも、本人が同意すればこれまでに飲んだ薬剤情報を医師が確認できる。自分でも、マイナポータルにて過去の薬剤情報と特定検診の結果を閲覧可能。医療機関・薬局によって開始時期が異なるが、本格運用は2021年10月20日からの予定だ。
運転免許証との一体化
マイナンバーカードと免許証を一体化させ、免許証の住所変更や免許更新時の講習をオンライン化することで、居住地以外でも免許証を更新できるようにする。政府は、運転免許証との一体化を予定より前倒しして2024年までに実現させる考えだ。
スマホへのカード機能搭載
マイナンバーの機能をスマホに搭載し、毎回カードをかざさなくてもスマホのみで手続きできるようにする。2022年度内にAndroid端末への搭載を目指し、iPhoneについても早期実現を目指す。
予定 | 時期 |
---|---|
健康保険証利用 | 本格運用は2021年10月20日からの予定 |
運転免許証との一体化 | 政府は2024年までに実現させる考え |
スマホへのカード機能搭載 | 2022年度内にAndroid端末への搭載、iPhoneも早期実現へ |
なお、政府は2023年3月末までの全住民への交付を目標としている。交付率は少しずつ高まってきており、今後さらに多くの機能が追加されれば、マイナンバーの作成を検討する人が増えそうだ。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年10月6日公開記事)