市場規模が近年どんどん拡大している「eスポーツ」。賞金額が億超えの大会も珍しくなく、一攫千金を狙っている選手はたくさんいる。しかし実際のところ、選手たちがどのくらい稼いでいるかはあまり知られていない。プロゲーマーたちの収入を分析する。
トップ選手の累計賞金額は?
eスポーツ選手がこれまでに稼いだ賞金額を集計している「Esports Earnings」によれば、世界トップ10は以下の通りとなっている。
eスポーツ選手の累計賞金額(スポンサー料など含まず) | |||
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順位 | プレイヤー名 | 国籍 | 累計賞金額 |
1位 | Johan Sundstein | デンマーク | 698万ドル |
2位 | Jesse Vainikka | フィンランド | 647万ドル |
3位 | Anathan Pham | オーストラリア | 600万ドル |
4位 | Sébastien Debs | フランス | 557万ドル |
5位 | Topias Taavitsainen | フィンランド | 549万ドル |
6位 | Kuro Takhasomi | ドイツ | 521万ドル |
7位 | Amer Al-Barkawi | ヨルダン | 481万ドル |
8位 | Ivan Ivanov | ブルガリア | 459万ドル |
9位 | Maroun Merhej | レバノン | 421万ドル |
10位 | Lasse Urpalainen | フィンランド | 378万ドル |
1位の選手はデンマーク人で、累計賞金額は698万ドル。日本円にすると約7億8,000万円だ。10位の選手でも378万ドル(約4億2,000万円)にのぼる。
ただし、こんなに累計賞金額が大きいのはトップ選手のみだ。加えて、あくまでこれらの金額は「累計」の賞金額であるため、年収換算するともっと低いはずだ。
平均年収は日本人の平均より低い?
eスポーツ選手やプロゲーマーの年収はピンキリで、まったく稼げていない人は0円、トッププレイヤーの中には数千万円の人もいる。そのため、平均年収を算出するのはやや困難ではある。
一方、最近ではeスポーツの市場拡大に着目した企業が、自社でeスポーツプレイヤーを雇用するケースがあり、その際の年収水準は参考になりそうだ。こうしたケースはまだまだ少ないが、ある企業では年収216万〜360万円で求人を出している。
国税庁の2019年分の「民間給与実態統計調査」によれば、日本人の平均年収は436万円だ。その金額と比較すると、企業に所属するeスポーツ選手の場合、年収は平均よりも低いのが現状なのかもしれない。
ちなみに上記の企業で雇用された場合、業務内容としてはeスポーツ選手として練習に励むことのほか、営業の仕事もする必要があるようだ。
eスポーツ選手の平均年収は上がっていく?
ゲーム総合情報メディア「ファミ通」によれば、日本国内における2020年のeスポーツの市場規模は66億8,000万円で、2024年には180億円超まで拡大する見通しだという。
市場規模が拡大すればするほど大会の賞金額も上がり、企業所属のeスポーツ選手の平均年収も上がっていくかもしれない。もしかすると、上場企業に就職するよりeスポーツ選手になった方が稼げる時代がやってくるかも?
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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