広がる「宇宙ビジネス」関連銘柄、先回り買い戦略が有効?

2021/12/14 17:45

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「今後大きく伸びる可能性が高い投資先(銘柄)はどこか」ということは、ほとんどの投資家に関心があるところでしょう。今後大きく伸びる可能性があるひとつの候補として、宇宙ビジネスが挙げられます。日本でも実業家の堀江貴文さんがロケット打ち上げに挑戦しています。今回は宇宙ビジネスへの投資について見ていきましょう。 宇宙ビジネスの

「今後大きく伸びる可能性が高い投資先(銘柄)はどこか」ということは、ほとんどの投資家に関心があるところでしょう。今後大きく伸びる可能性があるひとつの候補として、宇宙ビジネスが挙げられます。日本でも実業家の堀江貴文さんがロケット打ち上げに挑戦しています。今回は宇宙ビジネスへの投資について見ていきましょう。

宇宙ビジネスの広がり

宇宙ビジネスは将来の市場規模が大きいと言われています。総務省の「宙を拓くタスクフォース(第6回)資料」によると(資料作成はNTTデータ経営研究所)、各金融機関の市場予測は以下の通りです。

・ゴールドマン・サックス:2040年代に宇宙ビジネス市場規模が1兆ドルに達する
・モルガン・スタンレー:2040年代に宇宙ビジネス市場規模が1.1兆ドルに達する
・バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ:2045年までに宇宙ビジネス市場規模が2.7兆ドルまで成長する

あくまで予測ですし、将来の市場規模が大きいからといって、個別の投資が成功するとは限りませんが、投資観点においては非常にポジティブなことと言えるでしょう。

宇宙関連各社の状況

宇宙関連企業はどのような動きをしているのでしょうか。アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙ベンチャー「ブルーオリジン」は、2021年7月に初の有人宇宙飛行を実施しています。なんとジェフ・ベゾス氏自らが乗り込み、数分間の無重力を体験した後、無事に地球へ帰還しました。

テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏が率いる宇宙ベンチャー「スペースX」は2021年9月、民間人4人だけを乗せた宇宙船の打ち上げに成功し、数日間の飛行のうえ、無事に地球に帰還しました。

宇宙ベンチャーは米国ばかりではありません。米国が中心であることは事実ですが、例えば日本にも「PDエアロスペース株式会社」という宇宙ベンチャーがあり、宇宙機開発や宇宙旅行のビジネスを進めています。

宇宙ビジネスに投資する方法は?

それでは、どのように宇宙ビジネスに投資すれば良いのでしょうか。超富裕層であれば、その資金力やネットワークをフル活用して、有望な宇宙ベンチャーを探し、出資することも可能かもしれません。しかし、多くの人にとっては現実的ではないでしょう。

一般の個人投資家が宇宙ベンチャーを起業したり、出資したりすることは難しいですが、それでも宇宙関連の上場会社の個別株式や投資信託ETF)などに投資することはできます。個別銘柄の投資推奨ではないことをお断りしたうえで、一例を紹介していきましょう。

ヴァージン・ギャラクティック──NYSE上場のベンチャー、ブランソン氏試験飛行

ニューヨーク証券取引所に上場する宇宙ベンチャーです。2021年7月には前述のブルーオリジンに先駆けて、創業者のリチャード・ブランソン氏らを乗せた宇宙船の試験飛行に成功しています。株価は、急上昇しては急落するという動きを繰り返してします。

アストラスペース──NASDAQ上場、最近の打ち上げには失敗したが……

ナスダックに上場する宇宙ベンチャーです。ヴァージン・ギャラクティックの1/3程度の時価総額ですが、それでも2,000億円以上の時価総額があり、日本市場に上場していれば「それなりの大きさ」です。2021年8月のロケット打ち上げには失敗してしまったようですが、今後の続報に期待したいところです。

eMAXIS Neo 宇宙開発──三菱UFJ国際投資が運用する投資信託

宇宙関連のインデックスへの連動を目指す投資信託です。三菱UFJ国際投信が運用しており、日本の多くの金融機関で購入することができます。運用レポートを見ると、組入上位10銘柄は全て米国株式であり、1位は前述のヴァージン・ギャラクティック(4.6%)です(2021年8月31日現在)。この投資信託を購入することはもちろん、運用レポートから宇宙関連銘柄を探すフックとして活用しても良いでしょう。

先回り買いしておくこともひとつの投資アイディア

ここまで宇宙ビジネスへの投資について見てきました。宇宙ビジネスの多くはまだ収益化できておらず、今後も事業として成り立つかは不透明です。そのため、PERPBRといった既存の投資指標もワークしにくいと言えるでしょう。今の時価総額が適正なのかは何とも言えないところです。

しかし、宇宙ビジネスが事業として成り立つことを確認してから購入しては、爆発的な利益を見込みづらいことも事実です。宇宙ビジネス関連銘柄を先回り買いしておいて、中長期的に株価上昇を待つことも、ひとつの投資アイディアになるでしょう。

文・菅野陽平(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
画像・alexyz3d / stock.adobe.com(画像はイメージです)

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