コロナ禍のせいか、またガソリン価格が高くなっているせいか、燃費のいいバイクの人気が高まっており、特に原付二種の売上台数は前年比1.5倍となっている。その一因には人気アニメの影響もあるようだ。なぜ売れていて、人気車種はどれくらいの価格で買えるのだろうか。
原付二種が最も人気
2021年1〜6月におけるバイク全体の出荷台数は、前年同期比18.5%増の18万5,307台となり、いずれの排気量帯も前年比で増加している(日本自動車工業会のデータ)。
排気量別(cc) | 2021年1〜6月(台) | 増加率(%) |
---|---|---|
原付第一種(~50) | 6万717 | 100.4 |
原付第二種(51~125) | 6万7,772 | 147.8 |
軽二輪車(126~250) | 3万800 | 100.5 |
小型二輪車(251~) | 2万6,018 | 135.1 |
そのなかでも特に増加したのが、51~125ccの原付二種だ。
原付には50cc以下の原付一種、51〜125cc以下の原付二種の2つあり、普通自動車免許で乗れるのは原付一種のみとなっている。原付二種に乗る場合は、自動車免許とは別に二輪免許を取得しなくてはならない。
売れてるのはあのアニメの影響?
免許を取得する必要があるのに、なぜここまで原付二種が売れているのだろうか。
山梨県の高校に通う女の子、小熊が主人公のアニメ「スーパーカブ」が影響しているようだ。このアニメは、家族がいない小熊がスーパーカブを買ったことで、短調な毎日が少しずつ変わり始めるストーリーになっており、2021年4月からdアニメストアなどで放送が開始された。
スーパーカブは、2017年に世界生産累計台数1億台を達成したホンダの小型バイク。アニメに登場した総排気量49ccのスーパーカブ50の新車価格は、最新モデルで23万6,500円(税込、以下同様)となっている。
原付一種に分類されるスーパーカブ50だけでなく、原付二種に分類されるスーパーカブ110(28万500円)やクロスカブ110(34万1000円〜)、スーパーカブC125(44万円)など、カブシリーズ全体にアニメの影響が波及しているのかもしれない。
アウトドアブームも影響か?
コロナ禍でかねてからのブームが加速したアウトドアも、原付二種が売れている理由とされている。
ホンダのCT125・ハンターカブ(44万円)は人気車種の一つであり、ツーリングやトレッキングなどのアウトドアレジャーの用途に適した装備を採用した。2020年6月に発売されたCT125・ハンターカブは、国内での年間販売台数として8,000台を計画していたが、同年4月の予約段階で受注数が8,000台を超えたという。
ほかのメーカーも、ヤマハはアクシスZ(24万7,500円)、スズキはアドレス110(22万5,000円)をはじめとする原付二種のラインアップを充実させている。
リッター80キロも?ガソリン高騰の中、高燃費も評価の理由か
そもそも原付は燃費がいいことで知られる。カタログ値では、どのメーカーのどのモデルも1リッターで50キロから80キロくらいは走るとされている。普通自動車ではこうはいかないだろう。ガソリン価格が高騰している中で、燃費の良さが高く評価されてもおかしくはない。
アニメやアウトドアの人気に加え、都市部を中心とした車離れも影響し、車と比べて低価格で購入できる原付の人気は、今後ますます高まるかもしれない。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年10月14日公開記事)