年の瀬が近づくと、毎年のように「年末ジャンボ宝くじ」を買っている人は少なくないはずだ。2021年の1等賞金は7億円だが、宝くじの賞金額は昔と比べると、金額がかなり高くなっている。宝くじが始まった昭和20(1945)年の賞金額はいくらだったか、想像はつくだろうか。
1945年の1等賞金はまさかの金額だった
宝くじの公式サイトでは宝くじの歴史が紹介されており、賞金額の推移についても触れられている。
宝くじが始まった昭和20年(1945年)の1等賞金はズバリ10万円で、その後は現在にかけて、以下のように推移してきた。
宝くじの1等賞金額の推移 | |
---|---|
年 | 賞金額 |
1945年 | 10万円 |
1947年 | 100万円 |
1954年 | 400万円 |
1960年 | 500万円 |
1968年 | 1,000万円 |
1978年 | 2,000万円 |
1980年 | 3,000万円 |
1985年 | 5,000万円 |
1987年 | 6,000万円 |
1996年 | 1億円 |
1999年 | 2億円 |
2012年 | 4億円 |
2013年 | 5億円 |
2015年 | 7億円 |
1945年に10万円だった1等賞金は1947年に100万円となり、1,000万円の大台に乗ったのが1968年だ。そして1996年には1億円に達した。宝くじを開始してから51年目のことだった。このころ、宝くじのCMキャラクターにタレントの所ジョージさんを起用している。
その後も1等賞金の金額は増え続け、2015年の年末ジャンボ宝くじの1等賞金は7億円に。前後賞を合わせると10億円となり、その賞金額が現在も続いている。いずれは1等賞金だけで10億円となる日も来るのではないだろうか。
1945年の10万円、1947年の100万円は安い?
1945年の10万円という金額を安く感じるかもしれないが、当時は物価が今より安いため、10万円の価値は今よりはるかに高いことは知っておきたい。
例えば当時は、白米1升(約1.5キロ)の価格がヤミ値で70円程度だった。現在の価格水準とは大きな隔たりがある。一般的には、当時の10万円は現在の400万円程度に相当すると言われている。
また1947年には賞金額が10万円から100万円へと10倍に跳ね上がったが、この間に白米の価格が25倍になったことを考えると、むしろ賞金額の価値は小さくなったという見方もできる。ちなみに当時は国産乗用車1台の価格が20万円の時代だった。
公共性がある宝くじ
宝くじの収益は、賞金や販売経費などを差し引くと売上の40%程度となり、その収益は各自治体の防災対策や公園を整備する費用などとして使われる。つまり、宝くじを買うということは、人々の暮らしに間接的に貢献することになる。
もちろんどのような動機で宝くじを買うかは個人の自由だが、今年の年末ジャンボ宝くじは、歴史に思いを馳せたり、社会貢献だと思って購入したりするのもありかも。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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