そろそろ保険会社から届く生命保険料控除証明書のハガキや封書。毎年、年末調整で会社に何となく出しているかもしれませんが、これを出すことで「節税」になります。「今年は届いたけど、去年は出していないかも」という人も安心してください。
「生命保険料控除証明書」って何?
生命保険料控除証明書は、生命保険会社が年に1回、10月から11月ごろに発行する書類で、ハガキなどで届きます。
そこには、その年の1月から12月までの支払い保険料の額が書かれています。ただし10月ごろ発行されるため、1月から9月の実績と、12月まで払い込んだらいくら、という見込み額が書かれています。
これが重要なのは、年末調整や確定申告で、「生命保険料控除額」を証明するための資料だからです。
節税額を計算するには保険料額と税率の2つを確認する
「控除」というと難しく聞こえますが、これは支払った生命保険の保険料の額に応じて、所得税や住民税が軽減(節税)される仕組みと考えればいいでしょう。
その節税額は、保険料額をもとに計算した一定額に所得税と住民税の税率をかけて計算できす。
所得税の税率は所得額によって5〜45%、住民税は10%です。税率をかけ合わせる一定額の求め方は所得税と住民税で異なり、国税庁ウェブサイトなどで確認できます。
たとえば年収300万円で所得税率5%の人が、今年1月に医療保険に入り毎月5,000円(年間6万円)の保険料を払うと、節税額は4,550円です(所得税1,750円、住民税2,800円)。
また年収800万円で所得税率20%の人が、個人年金保険に今年入って毎月1万円(年間12万円)の保険料を払うと、1万800円の節税になります(所得税8,000円、住民税2,800円)。保険料は年間12万円でも、節税効果を加味した実質的な負担額はおよそ11万円です。
年末調整で出し忘れても5年間は遡って払戻しを受けられる
年末調整で控除証明書を出し忘れて税金を多く払った場合でも、自分で申告手続きをすれば税金の払戻しを受けられます。手続きができるのは5年以内です。
過去の年末調整で手続きをし忘れた年がある人は、その年の控除証明書を保険会社から取り寄せて手続きを行いましょう。手続きの際に税務署に提出する申告書の用紙は国税庁ウェブサイトからダウンロードできます。
家計のプラスになることは確実にやっておきたいところです。何かとお金を使う年末の時期がすぐにやってきます。受け取れるお金はしっかりと受け取っておきましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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