「老後2000万問題」が話題になり、老後の生活資金対策を始めた人も多いでしょう。株式投資や年金などいろいろな対策がありますが、中でも注目の「iDeCo」(イデコ)で2000万円を貯めることは現実的でしょうか。
月額2万3000円を30年間、5%運用できれば2000万に届くが……
イデコは個人型確定拠出年金で、「年金」です。毎月掛け金を出して運用し、60歳になったら受け取ります。
このイデコは毎月、上限2万3000円までかけられます(企業年金に加入していない会社員の場合)。もし毎月2万3000円をかけて、30年間で年利5%で運用できれば、2000万円に届きます。
会社が企業型確定拠出年金に加入していてイデコに入れない場合は、月の上限が2万円と少ないです。また企業型確定拠出年金以外の企業年金に加入している会社員は月額1万2000円までとさらに少ないので、2000万円をつくるためには運用期間は長くしたり、他の投資と組み合わせたりする必要があります。
平均利回りは約3~5%なので実現可能性はある!
「5%は難しいのでは?」と思われるかもしれません。たしかに預金金利がほぼゼロの時代に、5%はなかなか難しそうです。
しかし、イデコは平均利回り3~5%の商品が最も多く、過去5年分の平均利回りは約4%でした。年利3%として計算しても、20歳から月額2万3000円を40年運用すれば2000万円に届きます。
また、外国株式中心の運用であれば、年利5%以上も狙える可能性があります。MSCI社が定義する日本を除く先進国22ヵ国・地域で構成された「MSCIコクサイインデックス」の場合、2019年5月末時点での過去5年間で年率6.33%の上昇と高い利回りが期待できます。
しかし時間がかかる……
ただ、これらのケースはいずれも20年、30年という長い期間がかけられる若年層にしか当てはまりません。40代、50代から始めるとなると、なかなかイデコだけで2000万円をつくるのは難しそうです。
そもそもこの世代は子育てなど出費の多い世帯が多いはずです。月額2万3000円を毎月拠出するだけでも大変でしょう。こう考えると、イデコに限らず、投資は若いうちに始めて、長い期間無理せず少しずつ続けたほうがいいと言えそうです。
40代、50代になれば、若い世代と比べて貯蓄もできているでしょう。現金以外の資産を持っている世帯もあるでしょう。そうした点を考慮に入れつつ、老後までに「自分たちはいくら必要か」を試算し、イデコ以外の商品を含めたバランスのよい投資・運用を始めましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2021年10月19日公開記事)