Amazonの箱を持ってマンションに駆け込んでいく人を、街中で見掛けたことがないだろうか。Amazonの荷物の配達代行の仕事をしている人たちだ。誰でも始められ、頑張れば月収100万円も可能という噂もあるが、時給換算ではどのくらい稼げるのか。

時給は最低賃金の2倍前後？

このAmazonの荷物の配達代行の仕組みを「Amazonフレックス」と呼ぶ。報酬は地域や時間帯によって異なり、「ブロック」と呼ばれるタスクをこなせばこなすほど、稼ぎも大きくなっていく。

このブロックの報酬はエリアなどによって異なっており、Amazonフレックスの公式サイトでは、関東・関西・愛知などの各地区の1ブロックの報酬の例が、おおよその稼働時間とともに以下のように説明されている。

上記の情報から1時間当たりの報酬を算出できる。1ブロックの報酬をおおよそかかる時間で割ると、以下の通りとなる。各エリアの最低賃金とともに示す。

ガソリン代や車両の維持費は個人負担

上記の表から、Amazonフレックスの1時間当たりの報酬は、最低賃金の大体2倍前後ということが分かる。

「1時間当たりの報酬は最低賃金の約2倍」と書くと、結構割が良い仕事に感じるかもしれない。しかし、Amazonフレックスの仕事は「業務委託」の形態をとっているため、ガソリン代や車両の維持費などのコストは、配達する側が負担しなければならない。

こうした点を考慮すると実質的な時給は、最低賃金の2倍にまではなかなか到達しにくい。もちろん、効率良く短時間で早くタスクを終えれば、時給はその分上がることになるが、いずれにしても「楽に稼げる仕事」とは言えないだろう。

「ギグワーカー」として働く選択肢も

単発の仕事を請け負う人達のことを「ギグワーカー」と呼ぶが、すでに日本国内でAmazonから仕事を請け負っているギグワーカーは、2021年時点で1万人を突破している。

街でよく見掛ける料理配達アプリ「Uber Eats」の配達員もギグワーカーで、こうした働き方は徐々に一般的になりつつある。

もしあなたが仕事を探しているのなら、「パート」や「正社員」の求人を探すのではなく、ギグワーカーという選択肢もあり得る時代になってきている。あなたもギグワーカーとなって、Amazonの配達代行で稼いでみる？

文・岡本一道（経済ジャーナリスト）
編集・dメニューマネー編集部
画像・TK6 / stock.adobe.com（画像はイメージです）

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（2021年10月20日公開記事）