世界規模で進む「半導体不足」が私たちの生活にも打撃を与えています。トヨタやアップルが生産計画を変更したそうですが、給湯器をはじめとした家電の供給にも影響が出ています。今後、値上がりや在庫不足といった問題に注意が必要です。
トヨタが15%、アップルが1,000万台の減産
トヨタ自動車 <7203> は11月の世界生産を計画から約15%、10〜15万台ほど減らすと発表しました。半導体不足をはじめとした部品調達難によるもので、9月から3ヵ月続いての減産です。
約5万台の減産を見込む国内の工場や生産ラインでは、一部で数日間の稼働停止も予定しているとのこと。
iPhone13を発売したばかりのアップルも、同様の理由から2021年末までの生産を1,000万台ほど減らす見通しであると報じられています。
同社は部品調達力が高いことで知られますが、それでも十分な数の半導体部品を確保できていないようです。
トヨタ、アップルともに中長期的な生産・販売計画に変更はないようですが、状況は不透明なまま。私たちの生活に影響が出る日も近いかもしれません。
給湯器が修理・交換できない?
半導体不足は自動車やスマホだけに影響しているのではありません。たとえばガス給湯機。リンナイ<5947> 9月、ガスふろ給湯器や浴室暖房乾燥機などの納期が遅れるという発表をしています。リリースでは遅延の理由として、「新型コロナウイルスの急速な感染拡大の影響などにより、サプライヤーの生産に使用が出ているため」としていますが、背景にあるのは半導体不足です。
給湯器にはサーミスタと呼ばれる半導体が使われており、この部品の不足によって各メーカーで供給が滞る事態に陥っているのです。
故障時に修理・交換ができない問題も発生しているようで、最悪の場合お湯が使えない状況におちいってしまう恐れもあります。
モニターは既に春ごろ値上げされていた
そして、半導体を利用している家電は給湯機だけではありません。パソコンやモニターなどのIT機器もそうですし、エアコンや冷蔵庫などの白物家電にも影響が出るかもしれません。モニターに関していえば、昨今のリモートワークの浸透で需要が高まったこともあって、今年の春ごろ、一部の海外メーカーが値上げを発表していました。
これから本格的な冬を迎えるにあたり、暖房器具をはじめとした家電の買い替えを検討している人もいるのではないでしょうか。
製品に値上がりや在庫不足などが起こっていないか、価格や買う時期は十分に注意して検討しましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2021年10月21日公開記事)