さまざまな世代に支持される大人気マンガ『宇宙兄弟』。宇宙飛行士の世界を描いた作品で、発行部数は2,500万部を突破した。最近では、ヴァージングループ創業者のリチャード・ブランソン氏が宇宙旅行を成功させるなど、宇宙への注目は高まっている。『宇宙兄弟』主人公の兄弟の職業でもある宇宙飛行士の給与はどのくらいだろうか。宇宙飛行士一握りの人しかなれない職業。まさかの億超え──?
宇宙兄弟の主人公はJAXAの宇宙飛行士
宇宙兄弟の主人公は、兄の南波六太(ムッタ)と弟の南波日々人(ヒビト)だ。マンガの中で2人はともに日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士として働いている。
先に宇宙飛行士になったのは弟ヒビトの方で、兄ムッタは弟の後ろ姿を追いかけるような形で宇宙飛行士の試験に挑戦し、日本人で4人目のムーンウォーカー(月面を歩いた人)となった。
さて本題に戻って宇宙飛行士の給与だが、主人公の兄弟が勤めるJAXAのケースを参考に紹介していこう。
初任給は大卒30歳で30万円、年収は?
JAXAが宇宙飛行士を最近募集したのは2008年のことだ。今年13年ぶりに宇宙飛行士を募集する予定のようだが、まだ募集要項が出ていないので、今回は2008年の募集要項を紹介する。
以下が給与に関する規定だ。宇宙飛行士の場合、以下に加えて別途「宇宙飛行士手当」が出る。
JAXAの宇宙飛行士の募集要項(2008年) |
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採用時本給 |
大卒30才 約30万 大卒35才 約36万円 |
・昇給:年1回 ・賞与:年2回(6月、12月) |
初任給に関しては大卒30才で約30万円、大卒35才で約36万円というモデルが示されているが、平均年収は示されていない。
一方、JAXAの常勤職員の平均年収に関しては、2018年度は863万円と公表されている。これに宇宙飛行士手当を加えると、推測ベースではあるが、年収1,000万円を超えるのはほぼ確実とみられる。
NASAの宇宙飛行士は730万〜1,100万円
ちなみにアメリカ航空宇宙局(NASA)に所属する宇宙飛行士の場合、2018年時点では年収は約6万4,000ドル〜約9万8,000ドルだと公表されている。現在の為替レートで円換算すると、約730万円から約1,100万円だ。
将来は年収数千万円もあり得る?
日本のJAXAとアメリカのNASAの給与水準を見ると、宇宙飛行士になれる難易度から考えると、給与が見合っていないように感じる人も多いかもしれない。
日本の上場企業では平均年収が1,000万円を超える企業は約60社ある。もし収入面を第一に考えるのであれば、こうした上場企業への入社を狙う方がはるかに難易度は低い。
一方、今後は民間企業が宇宙ツアーを展開していく時代になると考えられ、そうした民間企業にJAXAやNASAの宇宙飛行士が転職すれば、ニッチな人材だけに給与はかなり高くなるかもしれない。そうした人材は世界的に見てもかなり数が少ないからだ。
将来的は年収数千万円も十分にあり得るかも?
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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