自宅時間が長くなり、アマゾンなどのECやUber Eats(ウーバーイーツ)を利用する機会が増えた人は多いのではないだろうか。こうした「配達」の仕事はどれくらい稼げるのだろうか。引越しバイトともに3職種の給料について検証してみた。
Amazonの配達代行のお仕事、時給換算でいくら?
Amazonの箱を持ってマンションに駆け込んでいく人を、街中で見掛けたことがないだろうか。Amazonの荷物の配達代行の仕事をしている人たちだ。誰でも始められ、頑張れば月収100万円も可能という噂もあるが、時給換算ではどのくらい稼げるのか。
時給は最低賃金の2倍前後?
このAmazonの荷物の配達代行の仕組みを「Amazonフレックス」と呼ぶ。報酬は地域や時間帯によって異なり、「ブロック」と呼ばれるタスクをこなせばこなすほど、稼ぎも大きくなっていく。
このブロックの報酬はエリアなどによって異なっており、Amazonフレックスの公式サイトでは、関東・関西・愛知などの各地区の1ブロックの報酬の例が、おおよその稼働時間とともに以下のように説明されている。
エリア | 1ブロックの報酬 | おおよその稼働時間 |
---|---|---|
関東 | 4,074円 | 2時間 |
関西 | 10,000円 | 5時間 |
愛知 | 9,550円 | 5時間 |
北海道 | 9,000円 | 5時間 |
宮城 | 9,000円 | 5時間 |
広島 | 9,000円 | 5時間 |
福岡 | 9,000円 | 5時間 |
上記の情報から1時間当たりの報酬を算出できる。1ブロックの報酬をおおよそかかる時間で割ると、以下の通りとなる。各エリアの最低賃金とともに示す。
エリア | 1時間当たりの報酬 | 最低賃金(時給) |
---|---|---|
関東 | 2,037円 | 1,041円 |
関西 | 2,000円 | 992円 |
愛知 | 1,910円 | 955円 |
北海道 | 1,800円 | 889円 |
宮城 | 1,800円 | 853円 |
広島 | 1,800円 | 899円 |
福岡 | 1,800円 | 870円 |
キツいが稼げる?「引越バイト」時給1,400円以上も
体力に自信があり、短時間でアルバイト代をたくさん稼ぎたいなら、「引越し屋」が候補に挙がる。ただし引越し屋のバイトに関しては、肉体的にも精神的にもかなりキツいという噂もある。
高ければ「時給1,400円」以上も
引越しサービスを展開する企業が東京都で出しているアルバイト情報を調べてみた。ちなみに東京都の最低賃金は1,041円だ。この点も頭に入れて、以下の一覧表を見てみてほしい。
東京都の引越しバイトの時給比較 | |
---|---|
引っ越し会社 | 時給 |
アーク引越センター | 1,380円〜 |
サカイ引越センター | 1,250円〜 |
アート引越センター | 1,050円〜 |
ハート引越センター | 1,233円〜 |
アリさんマークの引越社 | 18歳未満:1,200円〜 18歳以上:1,400円〜 |
アルバイトを募集している支店によって時給は若干変わるが、大手5社の時給の傾向を比較したところ、アート引越センターではほとんどが「1,050円〜」だった。ほぼ東京都の最低賃金と変わらない。
一方で、ハート引越センターは「1,233円〜」、サカイ引越センター <9039> は「1,250〜」の求人がそれぞれ目立ち、この2社でアルバイトをする場合の時給は1,200円台となることが多そうだ。
突出して時給が高かったのが、アーク引越センターとアリさんマークの引越社だ。アーク引越センターは「1,380円〜」、アリさんマークの引越社のある支店では18歳未満だと「1,200円〜」となっているが、18歳以上だと「1,400円〜」となっている。
時給1,400円だと1日8時間働けば、日給11,200円となる。結構な稼ぎだ。
Uber Eatsでいくら稼げる?新報酬体系で手取り激減か
配達員になろうとしている人には申し訳ない書き出しだが、Uber Eatsでは以前より稼げなくなっている。以前は「時給換算で3,000円」「月収100万円」という猛者もいたが、2021年5月に配達員の新たな報酬体系が全国で適用され、稼げる金額が減った。配達員からは「改悪」との批判も上がる。
報酬体系はどのように変わったのだろうか。
以前の報酬体系 料金は3種
以前は、配達員が受け取れる報酬は以下の3種類だった。
受取料金 | 265円 |
受渡料金 | 125円 |
距離料金 | 1キロ当たり60円 |
(※金額は東京の場合)
この合計金額から10%が手数料として引かれ、残りが配達員の報酬となる。そのため、例えば2キロの配達を行った場合は以下のように計算され、報酬は459円となる。
・265円(受取料金)+125円(受渡料金)+120円(距離料金)=510円
・510円 − 51円(手数料)=459円
新たな報酬体系 内訳は明示されず
2021年5月に全国で導入された新たな報酬体系は、従来の制度と異なり、報酬の基準や内訳は示されないこととなった。
そして次の点が重要なのだが、1回の配達の最低報酬金額が300円となり、走行距離が3〜4キロ以上とならなければ、1回の配達の報酬がほぼこの最低報酬金額が適用されることになってしまった。
例えば、以前は2キロ配達を行ったときは459円を受け取れたが、新たな報酬体系では300円にとどまる。つまり159円も受け取ることができる金額が減ってしまったわけだ。パーセンテージにすると、34%減となる。
走行距離 | 新制度 | 旧制度 | 減少幅 |
---|---|---|---|
0.5km走行したとき | 300円 | 378円 | 20%減 |
1km走行したとき | 300円 | 401円 | 25%減 |
2km走行したとき | 300円 | 459円 | 34%減 |
このように、新たな報酬体系では距離が短めの配達だと2〜3割程度の報酬減となるため、時給2,000円を稼いでいた人の中には時給が1,400〜1,600円になる人も出るだろう。
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年10月24日公開記事)