コロナ禍による4度目となる緊急事態宣言が解除され、東京ドームでもビールの販売が再開された。このニュースを聞いて思い出されるのが、ビールの売り子というアルバイトの存在だ。仕事の復活により再びフル稼働するようになれば、最高で1日いくら稼げるのか。
ビールの売り子の時給はいくら?
求人サイトで「ビール 売り子」と検索すると、甲子園球場でのアルバイトの募集案件を見つけた。報酬に関しては「日給1,500円+歩合給(1杯につき30円)」と説明されている。
プロ野球の試合での仕事の場合、1試合での稼働時間は実働5時間ほどとなる。5時間働いて日給1,500円というのはかなり少ない数字だが、ビールの売り子は歩合給で稼ぐ仕事だから仕方がない。
ビールの歩合給は1杯につき30円なので、販売した杯数別の1試合の報酬は以下の通りとなる。報酬を5時間で割って時給換算した場合の数字も合わせて紹介しよう。
ビールの売り子の報酬例と時給例 | ||
---|---|---|
ビールの販売杯数 | 報酬 | 時給 |
100杯 | 4,500円 | 900円 |
200杯 | 7,500円 | 1,500円 |
300杯 | 10,500円 | 2,100円 |
400杯 | 13,500円 | 2,700円 |
500杯 | 16,500円 | 3,300円 |
トップ級の売り子だと時給5,000円以上も
5時間で100杯しか売らなければ、時給は900円にとどまるという結果だ。しかし、仮に500杯売れると、時給は3,300円まで跳ね上がる。ちなみにビールの売り子のアルバイトの場合、一定数以上を売ると歩合が上がるケースが多く、その場合、時給はもっと高くなる。
実際のところ、プロ野球1試合で販売できる杯数は200杯ほどが普通のようだ。そうすると時給は1,500円。業界でもトップの成績を誇る売り子だと、1日に400〜500杯を売るケースもあるという。
さらにインターネットで情報を探すと、1日400〜500杯売る売り子だと1杯当たりの歩合がかなり上がり、時給計算で5,000円以上となるケースもあるようだ。そうすれば1試合5時間働くだけで、2万5,000円以上稼げることになる。
ときにはビールを買ってくれた野球ファンからチップをもらえることもあり、そうすれば時給はさらに上がる。
もう1つの真剣勝負
上場企業の中でも給与の時給換算が5,000円を超える企業は50社程度だと言われている。トップレベルのビールの売り子はその50社に匹敵する稼ぎっぷりなわけだ。
プロ野球と言えば選手たちの真剣な様子が見所だが、球場ではビールの売り子たちも自分たちの稼ぎのために真剣勝負を繰り広げている。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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(2021年10月28日公開記事)