ロレックスのディフュージョン(廉価)ブランドとして、日本でも存在感を増している「チューダー」。デヴィッド・ベッカムやレディー・ガガなどがアンバサダーを務め、中古市場の相場が1500万円以上という希少価値の高いモデルも存在する。国内での歴史が浅いため、「ロレックスには手が届かない人用のブランド」というイメージがあるかもしれないが、海外では「信頼性の高い時計ブランド」の地位を確立している。
初期モデルはロレックスのロゴ入り
チューダー(The TUDOR)を最初に商標登録したのはロレックスではない。ロレックスの創設者ハンス・ウィルスドルフが「一般庶民向けのブランドを売り出したい」と考えて、チューダー・ウォッチカンパニーという時計会社を設立。チューダーを商標登録していた人物に販売を託したのがきっかけだ。
実際にウィルスドルフが商号を受け継ぎ、ロレックスのチューダーブランドを正式に立ち上げのは1946年のこと。そのため初期モデルの中には、ロレックスとチューダーの両方の商標が付いているものもある。
ロレックスの半額で手に入る?チューダーの魅力、ロレックスとの違い
チューダーの魅力の一つは、ロレックスと比べても見劣りしない性能のモデルが、ロレックスよりはるかに安く手に入ることだろう。
モデルや需要により幅はあるものの、新品の相場は1,000~5,000ポンド(約16万~78万円)台とロレックスの2分の1ほど。海外の中古市場では、1,000ドル(約11万円)以下で取引されているものもある。
それにも関わらず、一部のモデルはケースやベルトにロレックスの汎用部品を使用するなど、ロレックスの名に恥じない堂々たる風格を備えている。
もう一つの魅力は、年齢層を選ばない豊富なデザイン。ロレックスサブマリーナーにそっくりの「チューダーサブマリーナー」、エクスプローラー1と似ている「レンジャー」、オイスターロイヤルと似ている「オイスタープリンス」など、ロレックスの雰囲気のあるモデルも存在する。
ロレックスとの大きな違いは、コストを抑えるために他社のムーブメントを搭載している点だ。
しかし、近年は一部のモデルのムーブメントを自社製に切り替えるなど、性能面でよりロレックスに近づけつつ、ロレックスには採用していないチタン素材やカラフルなファブリックストラップを採用するなど、オリジナリティも打ち出している。
人気のモデルは、「ロレックスデイデイトのチューダー版」と呼び名の高いプリンス デイトデイシリーズや、70年代のロレックスサブマリーナがベースのダイバーズウォッチ、ヘリテージ ブラックベイ、スチール製の優雅なデザインが魅力のクレアデローズなどだ。
ロレックス顔負けの高値がつくレアモデルも
日本では数年前までチュードル、チューダーなど読み方も統一されていなかったが、正規販売店のオープンやラグビーワールドカップの公式スポンサーを機に、知名度が高まった。
オイスターデイト・モンテカルロRef .7149が1万8,500ポンド(約299万円)、モンテカルロ・ホームプレート・クロノグラフRef.7032が10万ポンド(約1,565万円)という高値で売りに出されるなど、近年は投資対象としての価値も上がっている。
(2021年11月1日公開記事)
文・アレン琴子(英国在住のフリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・11月は残業減らすとボーナスが増えるって本当?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・「預金がおろせない?」銀行員が教える、親の生前にやるべき3つのこと
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・「無料で保険に入れます」クレカ会社から封筒がくる理由