ドル建て日経平均は先行指数?【連載・日経平均 1分解説】

2022/01/21 16:15

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【連載】日経平均ってなんだろう? 1分解説 9月14日に30670.10円をつけ、年初来高値を更新した日経平均は、10月に入って急に下がり、10月6日には27293.62円になりました。理由としては、岸田新政権に対する不安や、米国の債務上限問題、中国の恒大集団などといわれています。 日経平均の単位は「円」ですが、日経平

【連載】日経平均ってなんだろう? 1分解説

9月14日に30670.10円をつけ、年初来高値を更新した日経平均は、10月に入って急に下がり、10月6日には27293.62円になりました。理由としては、岸田新政権に対する不安や、米国の債務上限問題、中国の恒大集団などといわれています。

日経平均の単位は「円」ですが、日経平均をドル円レートで割って算出した「ドル建て日経平均」もあり、こちらの単位は「ドル」です。海外投資家などは、ドル建ての日経平均を参考にしていると考えられますが、実は「日経平均」と「ドル建て日経平均」を比べると興味深いことが分かります。

ドル建て日経平均は既に史上最高値を更新

具体的にどう違いがあるのかというと、日経平均は9月14日に年初来高値をつけていますが、「ドル建て日経平均」は今年の2月時点で年初来高値をつけています。

(※月末の日経平均終値、月末の為替の終値を17時とした場合で算出)

つまりドル建てのほうが半年以上も早く先行して高値を更新しているのです(日中の高値為替レートによって違いはあります)。

さらに、1989年の史上最高値38915.87円ですが、この当時の為替レートは1ドル=145.00円水準で推移していました。この時のドル建て日経平均は268.38ドル(38915.87÷145.00)です。

一方で今年の2月16日の日経平均は30714.52円で、為替レートは1ドル=105.57円水準だったため、ドル建て日経平均は290.92ドル。

つまり、ここで実は既に史上最高値を更新していることになります。

また、グラフで表した「日経平均とドル建て日経平均の推移」、「NYダウとドル建て日経平均の推移」(いずれも2011年末から21年9月まで)で分かるように、為替を介していることもあって、NYダウとの連動性が高いのです。

特に2008年のリーマン・ショック後については、日経平均の戻りの鈍さに対して、ドル建て日経平均、NYダウはゆるやかな上昇を見せていました。

1.ドル建て日経平均は先行指数?
(画像=筆者作成)
2.ドル建て日経平均は先行指数?
(画像=筆者作成)

日経平均を見るうえで、どうしても見落としがちな「ドル建て日経平均」を合わせて参考にすることで、海外投資家の動向なども先読みする一助とすることができるかもしれません。

(2021年11月2日公開記事)

文・村瀬智一(RAKAN RICERCAアナリスト
編集・dメニューマネー編集部

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