11月に入り、2021年も残すところ2ヵ月を切った。そんな中、株式投資の世界では、ある国が話題になっている。アルゼンチンだ。株価が暴騰しており、主要な株価指数で比較すると日本の5倍以上の伸びだ。2021年10月末時点の世界の株価指数ランキングを紹介しよう。年の初めからどのくらい高くなったかを示しているので、「今年の初めにその国に投資していたら、こんなに儲かっていた」ということが分かるだろう。
世界の株価指数の年初来騰落率ランキング
以下が世界の主要な株価指数の2021年10月末にかけての年初来騰落率ランキングだ。参考にするのは、オンライン投資教育サービスを展開する180合同会社の投資情報サイト「Think 180 around」に掲載されているデータだ。
世界の株価指数の年初来騰落率ランキング(2021年10月末時点) | |||
---|---|---|---|
順位 | 株価指数 | 国 | 騰落率 |
1位 | メルバル指数 | アルゼンチン | +63.1% |
2位 | タダウル全株指数 | サウジアラビア | +34.6% |
3位 | TX指数 | オーストリア | +33.8% |
4位 | RTS指数 | ロシア | +32.8% |
5位 | ブルサクウェートメインマーケット指数 | クウェート | +31.3% |
6位 | VN指数 | ベトナム | +30.8% |
7位 | AEX指数 | オランダ | +29.8% |
8位 | WIG指数 | ポーランド | +29.0% |
9位 | Nifty50指数 | インド | +26.3% |
10位 | OMXコペンハーゲン20指数 | デンマーク | +25.9% |
1位はアルゼンチンの「メルバル指数」で騰落率は+63.1%となっている。それに続くのがサウジアラビアの「タダウル全株指数」で+34.6%、3位はオーストリアの「ATX指数」で+33.8%だ。
東証株価指数の5倍以上の伸び
株価はさまざまな思惑で動く。そのため、1位となったメルバル指数のアルゼンチンの経済が世界で最も好調というわけではない。例えばサウジアラビアの株価指数が2位にランクインしたのは、現地の投資家たちの金余りが要因とも言われている。
一方で注目してもらいたいのが、日本の主要な株価指数との差だ。東証株価指数(TOPIX)と日経平均株価指数の年初来騰落率は次の通りとなっている。
日本の主要な株価指数の年初来騰落率ランキング(2021年10月末時点) | ||
---|---|---|
株価指数 | 国 | 騰落率 |
東証株価指数 | 日本 | +10.8% |
日経平均株価指数 | 日本 | +5.2% |
日経平均株価指数よりも東証株価指数の方がパフォーマンスはよいが、それでも年初来で+10.8%にとどまっている。ランキングで1位となったメルバル指数は、東証株価指数よりも5倍以上伸びている。
何が言いたいかというと、どの国に投資するかによって、かなり投資成果に影響が出てくるという点だ。世界にさまざまな国の市場がある中で「日本人だから日本株」と考えるのは、やや短絡的だと言えなくもない。
世界に目を向けるという視点を
もちろん、日本株への投資は手数料の面や投資先の企業に関する知識の面で、投資しやすい側面がある。しかしできれば世界に目を向け、いまどの国の市場が投資的に熱いのか、アンテナを張っておきたいところだ。
(2021年11月5日公開記事)
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・11月は残業減らすとボーナスが増えるって本当?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・「預金がおろせない?」銀行員が教える、親の生前にやるべき3つのこと
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)
・「無料で保険に入れます」クレカ会社から封筒がくる理由