自衛隊と警備会社は、もちろん異なる組織・団体ではあるが、担っている役割には共通点がある。自衛隊は国を守り、警備会社は顧客を守っている。こうした共通点がある自衛隊と警備会社では平均年収はどっちが上か、ご存じだろうか。
上場している警備会社6社の平均は494万円
各警備会社の平均年収は、上場している企業であれば有価証券報告書を読めばすぐ分かる。
上場している警備会社の平均年収 | ||
---|---|---|
順位 | 企業 | 平均年収 |
1位 | セコム | 5,915,188円 |
2位 | 綜合警備保障(ALSOK) | 5,797,477円 |
3位 | フルキャストホールディングス | 5,064,000円 |
4位 | セントラル警備保障 | 4,739,640円 |
5位 | 東洋テック | 4,737,000円 |
6位 | 共栄セキュリティーサービス | 3,431,000円 |
平均年収が500万円台なのが、「セコム」<9735> と「綜合警備保障(ALSOK)」 <2331> 、「フルキャストホールディングス」 <4848> の3社だ。
そしてこの6社の平均年収の平均値は494万7,384円となっている。この金額を自衛隊の平均年収と比べてみよう。
自衛隊の平均年収は自衛官で約640万円
自衛隊で働く人は「自衛官」や「事務官」などに分類できる。自衛官の場合、平均年収は640万円ほど、事務官の場合は740万円ほどと言われている。この金額を先ほど算出した警備会社6社の平均値と比較すると、次のようになる。
自衛隊と警備会社の平均年収の比較 | |
---|---|
職種 | 平均年収 |
自衛官 | 6,400,000円 |
事務官 | 7,400,000円 |
警備会社6社の平均値 | 4,947,384円 |
自衛隊に入隊した方が、民間の警備会社よりも高い給料をもらえるという結果だ。警備会社で最も給与が高いセコムであっても、自衛官や事務官の平均年収より低い。
ちなみに自衛隊の公式サイトによれば、大卒で入隊した幹部自衛官の場合、年代別では以下のように平均年収が上がっていく。25歳で平均年収は510万円程度となり、この時点で上場している警備会社の平均値を抜いている。
幹部自衛官の平均年収の目安 | |
---|---|
年齢 | 平均年収 |
25歳 | 5,100,000円 |
30歳 | 6,100,000円 |
35歳 | 7,300,000円 |
40歳 | 8,700,000円 |
45歳 | 9,000,000円 |
50歳 | 9,800,000円 |
収入だけで選ぶなら自衛隊のほうが……
単純に平均年収で比較するなら、業界で平均年収が最も高いセコムだとしても、自衛隊の平均年収には敵わないことが明らかになった。
もちろん、職業を選択する際には平均年収だけが判断基準になるわけではないが、収入を第一に考えるのであれば、自衛隊を選ぶ方がベターであることは間違いない。
(2021年11月9日公開記事)
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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