日経平均と「配当落ち」の関係とは【連載・日経平均 1分解説】

2022/01/23 17:15

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【連載】日経平均ってなんだろう? 1分解説 株式投資では、毎月末には「配当金」を狙った投資が行われます。特に決算期が集中する3月や、中間決算の9月も中間配当を狙った投資家の関心が集まりやすい時期です。 配当の権利確定日の翌日には、配当金額分が前日の株価から減額されてしまいます。これを「配当落ち」と言います。この配当落ち

【連載】日経平均ってなんだろう? 1分解説

株式投資では、毎月末には「配当金」を狙った投資が行われます。特に決算期が集中する3月や、中間決算の9月も中間配当を狙った投資家の関心が集まりやすい時期です。

配当の権利確定日の翌日には、配当金額分が前日の株価から減額されてしまいます。これを「配当落ち」と言います。この配当落ちですが、日経平均にも反映されます。

3月、9月は配当志向の物色が膨らむ?

日経平均の構成銘柄である225銘柄のうち、8割超の188銘柄(10月19日時点)が3月期決算企業です。そのうちの7割超の145社が9月に中間配当を出しています。

もらえる予定の配当金を現在の株価で割って求めたものが「予想配当利回り」です。日経平均構成銘柄では、たとえば日本郵船 <9101> 、商船三井 <9104> の予想配当利回りは8%を超えています(2021年10月現在)。配当を受け取る権利を得られる決算期末に向けて、例示したような配当の大きい銘柄の商いが膨らみます。

配当落ちとは、理論上、1株あたりの配当金の分だけ株価が値下がりすることです。3月決算企業なら、3月末から3営業日前が権利確定日で、その翌日が配当落ちです。配当落ちの日に株を買うと、その前日に買っていたらもらえるはずだった配当がもらえません。もし配当金が50円なら、その50円分、株価が下がるわけです。

ただ実際には、50円も下がらないこともあります。特に投資家からの人気の高い銘柄ではそうした動きが見られます。また、その企業の業績が好調なら配当落ち分を即日回復する動きも珍しくないため、あえて配当落ち後の安いところで投資に参加する投資家も少なくありません。

ちなみに今年の9月の権利落ちに伴う日経平均への影響はおおよそ185円程度だったと見られています。権利落ち日となった9月29日の日経平均は600円超の下落となったため、配当落ちの影響どころではなかったですが、配当落ちを考慮した場合、実質415円安だったといった見方になるわけです。

なお、配当金を受け取れるのは通常2~3カ月後です。そのため巨額な資金を運用しているファンドなどは、実質、その期間は投資金額が減っていることになります。そのため、その期間は日経225先物を買うことでリスクヘッジします。

配当落ちや再投資を好機ととらえて投資してもいいかも

単に配当を狙った売買だけではなく、数カ月にわたって相場の変動要因の一つになることを覚えておけば、配当落ち後や再投資のタイミングを見計らって優位な投資を行えるチャンスもあるでしょう。

なお、予想配当利回りの大きい銘柄といっても業績が伴わなければ、売却の時点で利回り分を消化してしまう場合があります。一方で、成長を優先する企業は配当よりも設備投資などを優先するため配当は低い傾向にあります。そのため、利回りが大きい銘柄についても、業績は重要です。

(2021年11月9日公開記事)

文・村瀬智一(RAKAN RICERCAアナリスト
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

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