「カラオケ脱却」のシダックスがV字回復!イメージと違う事業で稼ぐ企業とは

2022/01/24 07:15

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シダックスの株価が10月4日、コロナ後の経済再開期待から約6年5ヵ月ぶりの高値を付けた。消費者にとってカラオケのイメージが強い同社は、実はカラオケ以外で業績が回復している。 シダックスはカラオケ以外でV字回復 8月6日に発表した22年3月期4〜6月期決算は、売上は12%増の290億円、本業の利益である営業利益は前期の赤

シダックスの株価が10月4日、コロナ後の経済再開期待から約6年5ヵ月ぶりの高値を付けた。消費者にとってカラオケのイメージが強い同社は、実はカラオケ以外で業績が回復している。

シダックスはカラオケ以外でV字回復

8月6日に発表した22年3月期4〜6月期決算は、売上は12%増の290億円、本業の利益である営業利益は前期の赤字から5億円の黒字に転換した。自治体からの学童受託による社会サービス事業が伸長、フードサービス事業もコロナの影響が減少して改善した。未定としていた通期の予想を売上6%増の1,169億円、営業利益3.4倍の23億円と発表したことで回復への期待が高まり株高になった。

もともとシダックスは学校給食や社員食堂を手掛けていたが、91年に運営していたファミレスをカラオケ店に改装してカラオケ事業に参入した。90年代のカラオケブームに乗り、04年には出店数が300店に達した。「ビッグエコー」の第一興商、「カラオケ館」のB&Vとともに大手の一角だった。ピーク時の07年度のカラオケ事業の売上は600億円を超え、利益率は10%前後で同社の稼ぎ頭だった。

カラオケブームが落ち着き価格競争も激化、飲食に対する規制も強化されたことで、07年をピークにカラオケ事業の売上は急減。17年度の売上は180億円を割り込み、赤字も10億円を超えていた。18年にシダックスは撤退を決め、B&Vに事業を売却し冒頭の復活を遂げている。

業態を大きく変えて成功した会社はあるのか?

シダックスのように「実はイメージと異なる事業で成功している」という企業はいくつもあるが、ここでは3社紹介しよう。

その代表が富士フイルムホールディングス <4901> だ。もともとはカメラ用フイルムのトップメーカーだったが、デジタルカメラの登場で2000年時点の売上高の約6割、利益の約7割を占めていた需要がほぼなくなった。その後は自社の強みを活かし、医療機器や医薬、液晶材料などに業態を転換し、復活を遂げている。

日立造船 <7004> は日立系列の造船会社だったが、造船不況を経て、日立との資本関係もなくなり、本業の造船事業を受け継ぐ子会社は20年に売却した。現在は売上の約6割程度を環境・プラント事業が占めている。

鎌倉新書 <6184> は創業時に仏壇仏具業界向けに書籍の出版を行っていたが、葬儀社や葬儀マナーなどに関する情報サイトで成長し、現在は終活全般をウェブで手掛けている。

このように社名とイメージが異なるビジネスを展開している会社は多い。業態を変えながらも成長を続ける企業への市場の注目度は高い。

(2021年11月11日公開記事)

文/編集・dメニューマネー編集部

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