かつては大手新聞社や大手テレビ局に入社すれば、高年収は約束されたものだった。しかし最近ではインターネットに押され、既存メディアの存在感は薄れてきている。こうした中、おそらく平均年収もかなりの下落傾向にあるような気がするが、実際はどうなのか。
テレビのトップは「TBS」、新聞のトップは「日経」
以下が、テレビ局のキー局(持ち株会社)と大手新聞社の平均年収の最新データだ。各社が発表している有価証券報告書を参考にした。
テレビ局のキー局の平均年収 | |
---|---|
企業名 | 平均年収 |
TBSホールディングス <9401> | 15,016,000円 |
日本テレビホールディングス <9404> | 13,846,267円 |
テレビ東京ホールディングス <9413> | 12,896,349円 |
テレビ朝日ホールディングス <9409> | 12,803,000円 |
フジ・メディア・ホールディングス <4676> | 8,012,000円 |
大手新聞社の平均年収 | |
---|---|
企業名 | 平均年収 |
日本経済新聞社 | 11,928,764円 |
朝日新聞社 | 11,649,647円 |
テレビ局のキー局の中ではTBSがトップで1,501万円、新聞社の場合は有価証券報告書を公開しているケースが少ないため日経新聞と朝日新聞の2紙の比較となるが、日経の方がわずかに平均年収が高く、1,192万円となっている。
平均年収は微減傾向も、1,000万円企業は楽々維持
このように比較するとテレビ局の方が断然平均年収が高いが、この記事の趣旨は平均年収が下落傾向にあるかだ。両業界で最も平均年収が高いTBSと日経の金額の推移を調べてみよう。
TBSと日経の平均年収の推移 | ||
---|---|---|
年 | TBSホールディングス | 日本経済新聞社 |
2021年 | 15,016,000円 | データなし |
2020年 | 16,224,000円 | 11,928,764円 |
2019年 | 15,860,000円 | 12,532,051円 |
2018年 | 16,322,000円 | 12,635,795円 |
2017年 | 16,615,000円 | 12,216,296円 |
両社とも年によって上下はあるが、結果としては微減傾向にある。
しかし、両社ともに年収1,000万円企業を維持しており、数字だけをみればまだまだ平均年収が1,000万円を割れるような気がしない。
メディア企業の業績のちょっとしたカラクリ
実はインターネットに押される中でもテレビや新聞がこうした年収の高さを維持できているのには、ちょっとしたカラクリがある。不動産業などで大きな収益を挙げているメディア企業が少なくないからだ。
そのため、本業であるメディア事業で業績が振るわなくても、すぐに平均年収がガクンと減ることにならない場合がある。
大手テレビ局と新聞社が年収1,000万円以上を維持できるちょっとしたトリビアとして、知っておいてみてもいいかも。
(2021年11月14日公開記事)
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
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